テニスラケットの科学(146)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(25):「テークバックでラケット先端はフェンスへ向くか否か」(1)

テニス雑誌・最近号(*1)特集『最先端ストロークを徹底強化』に、Part1「テークバックでラケット先端はフェンスへ向くか否か」という興味深いT氏(日本テニス界の著名な指導者)による詳細な解説があり、その冒頭で、“私が初心者の頃は、身体を横向きにして、ラケットの先端をバックフェンスに向けるようにテークバックをすると指導されました。あれからテクニックもどんどん進化して、今やラケットの先端はバックフェンスへ向かなくなりました。明らかにあの時代と今とでは技術が違います。そろそろ新しい概念でテニスに取り組んでいい頃だと思います”というコメントがありますが、(異見あり!)です。

“ 今やラケットの先端はバックフェンスへ向かなくなった ” のではなく、
「昔はラケットの先端をバックフェンスへ向けてボールを待ってフォワード・スイングを開始した」が、
「今はラケット先端をネット側に向けた構えの状態でボールを待って、上腕(肩)を外旋(外側へ回転)しながらフォワードスイングを開始すると、重力を利用して自然にラケット先端がフェンスを向く」ということが添付図(*2)からもわかります。
特に、添付図コマ写真3では、ラケット先端がフェンス側を
向いており、十分なテイクバックが確保されていることがわかります。

*1:テニス雑誌・テニスマガジン、2019年6月号、pp.8-17.
*2:錦織圭選手のフォアハンド(テニスマガジン2019年6月号p15の図を編集-kawazoe)
(2019-0528-Nishikori’s forehand-TM2019年6月p15-Fb-Ss-edited by Kawazoe)