テニスラケットの科学(176)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(33):インパクトの瞬間のラケット面について(3)

テニス雑誌・最近号(*1)特集『エッグボールをゼロから学ぶ』「①ボールをつぶして勢いよく前方に飛ばす」というテーマに関する(異見あり!続き)です。

フォアハンド・トップスピンのインパクト後の打球速度、方向、スピン量(回転角速度)がどのように生まれるのかについて、参考文献(*2)に基づいて、前回、図解で紹介させていただきました。
今回は、他の条件は前回と同じにして、ラケット面の傾きだけを変えた場合に打球がどうなるかについての図解例(*3)を紹介させていただきます。

図(a)はラケット面が前に少し傾いている場合、図(b)はラケット面が後ろ傾いている場合です。
トップスピンの量は図(a)の方が、打球速度は図(b)の方が大きいことを示しています。

インパクト後のボールの速度と方向と回転量(トップスピン、アンダースピン)は、飛来するインパクト直前のボールの速度と方向と回転量(回転角速度)に対して、「インパクトにおける ①スイングの速度 ②スイングの方向 ③ ラケット面の傾き」という三つの要素によって決まります。

弾んだボールをライジングで(上がりっぱなを)打つのか、頂上で打つのか、後ろに下がってボールが落ちてくるところを打つのかによっても異なります。
テニスは奥が深くて難しいですね!

*1:「エッグボールをゼロから学ぶ」、テニス雑誌・スマッシュ、2019年6月号、pp.4-20.
*2:「ゲームに勝つテニス」、三浦公亮・坂井利郎・蝶間林利男共著、光文社、1982年
*3:「ゲームに勝つテニス」、三浦公亮・坂井利郎・蝶間林利男共著、光文社、1982年、プロローグに掲載の図を川副が抜粋・編集したものです。