テニスラケットの科学(179)  フォアハンド・ストロークにおける身体とラケットの操縦法を見る (36):フェデラーのフォアハンド⑩

世界のトップ選手もあこがれるフェデラーのフォアハンドの特長(1) インパクト(パラパラ・アニメで見る→画像をクリックしてください)

フェデラー選手は、ラケット面をかぶせるようにして腕とラケットを低く落とした後で肩・上腕を外側に回転させるので、外旋の可動域が大きくなり、ラケット・ヘッドが後ろに深くなります。
ラケット・ヘッドが深くて低い位置から肩を支点にフォワードスイングに移行すると、インパクト位置までの距離が長いので、インパクト直前でもラケット・ヘッドはまだボールより低い位置にあって、そこからインパクトに向かって一気にヘッドが上がっていくので、加速するのに十分な距離があって打球速度が大きくなるだけではなく、ボールより低い位置からヘッドが加速するので、スピンの回転角速度も大きくなります。

これがフェデラー選手の省エネ・超トップスピンの原理かと推測されます。

* John Yandell氏提供のビデオ映像RFFH InsideOut Side1_ 500fpsから一部を抜粋・編集:川副
映像:High speed archive, Tennisplayer by John Yandell – edited by kawazoe