テニスラケットの科学(20)  
トップ・スピン打撃におけるボールとの接触、ボールのつぶれ、ボールが飛び出す瞬間

図は、プロ・テニスプレーヤーによるトップ・スピン打撃におけるインパクトにおける、
(1) ボールとの接触、
(2) ボールがつぶれた状態(接触してから 0.0025 秒後)、
(3) ボールが飛び出した瞬間(接触してから 0.0035 秒後)
の3つの代表的なフレームを(参考までに)示しています。
質量をもつボールというバネがストリング面に斜め衝突して、縮んで、伸びて、飛び出すというイメージです。
衝突速度が大きいほど、つぶれ量が大きいほど、ボールはストリング面から短い時間で飛び出します。
衝突速度が速くなるほど、つぶれ量が大きいほど、ラケットとボールが接触している時間が短くなる理由は、ボールとストリング面のバネ剛性(硬さ)が大きくなるからです。
硬いものどうしが衝突するほど、両者は、短い時間で反発します。

1-画像:プロ・テニスプレーヤーによるトップ・スピン打撃におけるインパクトの瞬間(3フレーム:ボールとの接触、ボールのつぶれ、ボールの7飛び出しの瞬間)。川副ら(2010、NHKとの共同実験)