テニスラケットの科学(35)  国際テニス連盟(ITF)・性能試験用の基準として製作されたラケットITF

国際テニス連盟・性能試験用の標準としてラケットITF ( 27 in: 680 mm,351g:ストリングを含む)が2003年に製作されました。
川副研究室でもラケットの提供を受け、ラケット特性を実測し、ボールの飛び、手に伝わる衝撃振動に関して、性能予測・評価を行い、当時の標準的な市販ラケット ヨネックス V-CON17 (27.5 in: 698.5 mm,300g:ストリングを含む)と比較してみました。

図1は、ヨネックス V-CON17とラケットITFの写真と寸法形状を示しています。ラケットの提供をいただきました当時のヨネックス関係者には厚くお礼申し上げます。

図2は、川副研究室で測定したヨネックス V-CON17 とラケット ITF の主な仕様です。
ラケット・ストリング面の中心に換算した質量は、V-CON17 は 190 g、ラケット ITFは 199 g です。実質量は 51 gも違いますが、ボールから見たラケットの質量(重量):換算質量は 9 g しか違いません。

注)重心(Center of Gravity from grip end)は、カタログなどで「バランス」と表示されているものです。ただし、カタログでは、ストリングを張っていない場合の値ですが、この表の値はストリングを張ったラケットの値ですので、カタログ値よりも大きい値(トップ側)になっています。(念のために)

ラケット性能予測結果の一部は追って紹介させていただきます。

1-画像:ヨネックス V-CON17とラケットITFの写真と寸法形状(川副研究室)

2-画像:ヨネックス V-CON17とラケットITFの主な仕様(川副研究室)