テニスラケットの科学(82)  ストリング面上のインパクト位置とラケットおよびグリップ(ハンドル)部分の振動

ボールとラケットの衝突により、ボールとストリングスは変形し、変形が復元してボールがストリング面を離れた後は、ラケットは剛体運動(全体的な動き)をしながら振動します。

図は,ボールがストリング面の中心、および中心を外れた先端側と根元側の位置でボールと衝突したときのラケットの初期振動振幅をシミュレーションにより予測した例(横から見た図)です。

ストリング面の中心付近(振動の節)でボールに衝突すると、ラケット・フレームの振動振幅が小さいことを示しています。
また、ストリング面上のボール衝突位置にかかわらず、グリップ(ハンドル)上に振動しない箇所(グリップ部分の振動の節)があることを示しています。

続報で、グリップ部分の振動しない箇所(振動の節)が、重量型ラケットは手の握りの位置に近く、軽量型は手の握りの位置から遠くなることを示します。