テニスラケットの科学(845) :テニスラケットの科学(844)*の補足1 :テニスのパフォーマンスに与えるストリングスの物理的影響と心理的影響 -アガシ選手のストリングスとパフォーマンスの関係をどう理解すべきか- :備忘録:第15回日本テニス学会 2003年11月15日~ 11月16日 (東京)(その1
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備忘録:第15回日本テニス学会 2003年11月15日~ 11月16日 (東京)

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研究の背景(1):
アガシ選手のストリングスとパフォーマンスの関係をどう理解すべきか
:1999年にフレンチ・オープンとUSオープン,2000年と2001年に全豪オープンに優勝したアガシ選手が2002年ウィンブルドンの2回戦でパラドン・スリシャパという選手に敗れた.
・写真に見られる有名な?アガシ選手の紐(輪ゴム)形状の振動止めは,ストリング振動のエネルギーが小さいので,ストリング振動を止める効果は十分ありますが,もちろん,他のストリング振動止めと同様に,反発係数に影響するフレーム振動を止めることはできません!
・(誤解の多い振動止め)
振動止めとして市販されているのは,ストリングの振動を止めるもので,反発係数や手に伝わるラケット・フレームの衝撃・振動を止めるものではありません.
反発係数や手に伝わるフレームの衝撃・振動に最も関与するのは,オフセンター打撃で特に大きいフレームの1次(2節)曲げ振動です.
そのほかに,フレームの1次ねじり振動,2次曲げ振動がありますが,設計不良の場合(共振)を除くと,反発係数には,ほとんど影響がありません.
ストリングの膜振動は,ストリング面の中心付近のスイートエリアで打撃したときに振幅が最も大きく,音も大きいですが,ストリング面の振動とフレームの振動は振動数が異なるので,ストリングの振動はフレームや手にはほとんど伝わりません.
いわゆる(ストリングの)振動止めは,インパクトにおけるストリング面の振動・音色など,弦楽器的な性能に大きく影響します.

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研究の背景(2):
ラケットのハイテク化を批判するマッケンロー
国際テニス連盟(ITF)に対して、最近のラケットの影響力を抑える対策を取るよう要求した書簡を2003年7月に送付したそうです(McClusky、 2003)。
「プレイヤーは最近のラケットを使って、以前では考えられなかった時速240キロメートルというスピードでボールが打てる」
「グリップ内部にチップを埋め込んでボールに当たった瞬間にラケットが堅くなるようなものまである」
「ラケットの長さは27インチ以下、幅は9インチ以下にすべきだ。
そうすればボールを打つ面がかなり狭くなり、もっと面白い試合をせざるをえなくなる John McEnroe
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ラケットのハイテク化を批判するマッケンロー
:グリップ内部にチップを埋め込んでボールに当たった瞬間にラケットが堅くなるようなものまである.John McEnroe
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(参考記事)
*テニスラケットの科学(844)
:テニスのパフォーマンスに与えるストリングスの物理的影響と心理的影響 -アガシ選手のストリングスとパフォーマンスの関係をどう理解すべきか- :プロ野球の打撃論からのヒント:野球バット職人・久保田五十一さんの思い出
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-844/
(参考文献)
・テニスのパフォーマンスに与えるストリングスの物理的影響と心理的影響
(アガシ選手のストリングスとパフォーマンスの関係をどう理解すべきか),
川副 嘉彦,
テニスの科学 / 日本テニス学会 [編] 第12巻, 2004, p.14~18.
https://kawazoe-lab.com/research/tenisunopafo-mansu/
