テニスラケットの科学(592)
:スピン量と打球速度はインパクト(1000分の3~5秒)で決まる➉
:世界のトップ10・プレーヤの打球速度とスピン(1)
(データ from ATP Average Shot Speed at Roland-Garros 2023)

●  全仏2023年の試合における男子トップ10選手の平均・打球速度(インパクト直後の初速)とスピン量の貴重なデータが公開されていますので、川副研究室で編集してグラフ化したものを紹介させていただきます。
(参考文献参照*)
・ トップ10は、
①位 アルカラス  ②位 ジョコビッチ  ➂位 メドベージェフ  ④位 ルード  ⑤位 チチパス  ⑥位 ルネ  ⑦位 ルブレフ  ⑧位 シナ―  ⑨位 フリッツ  ➉位 ティアフォー
の10名の選手です。
・ 大変興味深い数値ですので、できれば、次稿以降に、選手のランキングやプレースタイルなどとの関連で、スピン量や打球速度だけでは説明しきれない勝つための要因を考察してみたいと思います。
・トップ10の10名の選手の打球速度の違いは小さいですね。
・トップ10の10名の選手のスピン量の違いの方が大きいようです。 
・ 特に興味深いのは、➂位のメドベージェフ選手と⑥位のルネ選手です。 
  特に➂位のメドベージェフ選手は、打球速度もスピン量も10名のうち、最下位です!(打球速度は速いと思っていましたが!)
・ 試合に勝つためのヒントがあるようです!
・ ついでに、文献調査をしてみましたら、Heavy Ball(重いボール、強いボール)の研究などもあり、打球速度とスピン量が大きいというだけでは説明しきれないという結論のようですので、Heavy Ball(重いボール、強いボール)についても、改めて考察してみたいと思っています。

図ー1


図―2


図―3


(参考文献)
* Jim Fawcette, Speed and Spin in Men’s Pro Tennis 2023, Volume 19 Issue 5 August 2023, Tennisplayer created by JohnYandell.