テニスラケットの科学(613)
:打球感のメカニズム
:インパクトの衝撃はどのように手に伝わるか⑥

:発生する衝撃力と、手に作用する衝撃反力は別のもの
:インパクトの瞬間に発生する衝撃力が大きいほどボールは良く飛ぶ
・グリップを持つ位置と衝撃反力の関係(打撃点がストリング面中心から約40mm根元側の場合)

● 図6は、ストリング面中心から約40mm根元側にボールが衝突したときの計算結果です。 根元側で打撃するときは、グリップはボールに押されるような衝撃反力(プラス)を受けることがわかります。 また、 根元側の打撃では、ラケットを短く握ると(グリップエンドを余らせるほど)衝撃反力が大きくなります。 一般的に、先端打撃のときと逆に、根元側打撃では、 従来型重量バランスのノーマル(100平方インチ、張り上げ360g)と 厚ラケ(100平方インチ、張り上げ370g)が衝撃反力が小さく、 超デカラケ(120平方インチ、超軽量トップヘビー、張り上がり292g)、 デカラケ(110平方インチ、張り上げ366g)、 超デカラケ(120平方インチ、従来型重量バランス、張り上げ349g)は衝撃反力が大きめです。 とくに、 ラケットを短く握ると衝撃反力は大きくなります。
(続く)

図―6

(参考文献)
・Yoshihiko KAWAZOE,
Mechanism of Tennis Racket Performance in terms of Feel,
Theoretical and Applied Mechanics, Vol.49 (2000), pp.11-19.
(参考資料)
・川副嘉彦、
ラケットの科学II-⑤、
月刊テニスジャーナル,12巻12号(1993年12月号), pp. 78-83.