知能ロボットの巧みな動き
ロボットの先駆的な研究者であり、ロボットコンテストの創始者でもあり、「ロボコン博士」の異名をとる森 政弘先生は、以下のようなことをよく口にされます。
「自動車は『走る』だけでは駄目、『走る』と『止める』が協力して初めて『走る』。
『アクセルは走る』、『ブレーキは止める』と分けて考えるのではなく、『走る』ということは、『走る』と『止める』と両方の意味を持つ。 正反対を同居させて一つに合わせる考え方が重要である。人間とロボットを分けて考えてはいけない。苦しく楽しかったロボコンという中学生の感想文にも、苦と楽が同居している。 これがよい。世の中に役に立たないものはない。役に立たないものを役立てることのできない人を役に立たない人という。」
鉄腕アトムの以下の主題歌に我々は惹きつけられます。
空を越えて ラララ 星のかなた
ゆくぞ アトム ジェットの限り
こころやさし ラララ 科学(かがく)の子
十万馬力(じゅうまんばりき)だ 鉄腕(てつわん)アトム
恐る恐る病み上がりのように歩くアトムは想像できません。
ロボットを自分で動かしてみれば、ロボットで一番難しいのがエネルギー源だということがすぐわかります。
ホンダのASIMOも全力で動くと、たしか20分?くらいしか動けないはずです。
二足歩行ロボットの実験をやると、不安定で扱いにくく見える機械(たとえば、静止したら倒れてしまう2輪車)ほど、巧く制御すれば、安定に見える機械(たとえば、子供でもすぐに乗れる三輪車)よりも高い性能を発揮することがよくわかります。スピードを上げると、三輪車の方が、二輪車より、不安定になって危険なのです。
「やってみなけりゃ、わからない」という「人間とロボット」(ヒューマン・ロボット学 Human-Robotics)についての研究です。