「無秩序からの秩序」とエントロピー
物理学者シュレーディンガーが著書「生命とは何か」で「秩序からの秩序」と「無秩序からの秩序」というテーマを指摘してから50年の間に、分子生物学の驚くべき成功として 「秩序からの秩序」の方はその謎(遺伝子)が解明されました。
「無秩序からの秩序」の方は、生物系は「エントロピー最大法則」のような無秩序とは正反対であり、無秩序から創出された驚くほど高いレベルの秩序を生物は示しているというのが彼の主張でした。
現在では、「無秩序からの秩序」の形成によって生命が生まれ、秩序から秩序をつくりだすことによって生命が継続(再生産)すると理解されているようです。
「エントロピー(無秩序状態を表現する)」の外部への放出が内部に秩序を保つ条件であり、生命体は、不要な「エントロピー」を排出して、生命体としての状態を保つので、「無秩序からの秩序」は、これからの重要なテーマであると言われています。