テニスラケットの科学(42)  ラケットのストリングにシリコン・スプレーをかけるプロのテニス選手

大きなトーナメントでも、ラケットのストリングにシリコン・スプレーをかけるプロのテニス選手が現れて、新聞記事などで話題になりました。(画像1、画像2)

さっそく、ジョン・マッケンロー,イワン・レンドルなど過去のチャンピオン達は、シリコン・スプレーをストリングに塗ることを禁止すべきだと ITF に主張しました。

“スライドし、伸びて、スナップバックする Copoly や Slippery Stringが過大なスピンを生み出すので、伝統的なテニスの戦術を殺してしまった。
シリコン・スプレーがストリングをスライドさせる潤滑になり、スナップバック効果がラケットをミニ・トランポリンにしている。”

ITF科学技術研究所長のミラーは、現在はルール違反にはならない。スナップバック効果は認めているが、過去に禁止されたスパゲッティ・ラケットを越えないように厳密に監視していると答えています。
(Kawazoe 2014)

現在のルールの範囲で「スパゲティ・ラケット」を超えるようなスピンはありえないでしょう!

1-画像:ラケットのストリングにシリコン・スプレーをかけるプロのテニス選手、The Sunday Times 24 June 2012

2-画像:ラケットのストリングにシリコン・スプレーをかけるプロのテニス選手、25th June 2012