テニスラケットの科学(371): ”インパクトでラケットはたわむ?”に異見あり:ラケットはたわまない!(10)  ➡ 実際は、インパクトの衝撃により、それぞれのラケット固有の振動数で振動する!

● 「インパクトでボールがつぶれ、ストリング面はたわむ」というのは、良く知られています。
 しかし、一般のテニスラケットの性能解説記事には、スイートスポットで打球した場合でさえ、ラケット・フレームがたわむ(しなる)と書いてあります。
ラケットのしなりでボールを飛ばすから反発性能が良いなどという解説も見られます。
 この画像集(*1)では、ラケット・ストリング面のさまざまな箇所でインパクトした場合の画像が示されていますが、一般のテニスラケット解説記事のようには、フレームは変形しているようには見えません!
● ラケットは、インパクト直後から、それぞれのラケットに固有の振動数の残留振動が残ります。
● 固有の振動数は、ラケットの剛性分布と重量分布で決まります。
● 重くて柔らかいラケットほど、固有振動数は低く、硬くて軽いラケットほど、固有振動数は高くなります。
 主な市販ラケットの固有振動数(1次:メイン)は、130Hz~200Hzの曲げ振動です(*2)。
 振動が大きいと、反発性能は低減します。
*1: 【PHOTO】ボールがつぶれ、フェイスがたわむ! 3/1000秒の瞬間を捉えたスーパーインパクト集!!
スマッシュ編集部 写真:(THE DIGEST写真部) 2019/12/19 https://thedigestweb.com/photo/detail/id=7499
*2:テニスラケットの科学(3):https://kawazoe-lab.com/tenni…/science-of-tennis-racket-3/ 、
   テニスラケットの科学(82):https://kawazoe-lab.com/tenn…/science-of-tennis-racket-82/