テニスラケットの科学(469) :ストリング素材とスピン量:トラックマンによる測定例 フラット・サーブ、スライス・サーブ、スピン・スピンサーブにおけるナチュラルとポリの比較
https://www.facebook.com/100013281014472/videos/pcb.1586881898431162/5684731318256272
動画2:実験の総括(トラックマン 試打ラケTV)
画像:(グラフ)フラット・サーブ、スライス・サーブ、スピン・スピンサーブにおけるナチュラルとポリ(ノーマル)のスピン量とスピードの測定値比較
図(グラフ)の横軸は、フラット・サーブ、スライス・サーブ、スピン・サーブの3種類、左図の縦軸は、スピン量(毎分回転数RPM)、右図の縦軸は、その時の打球速度(ボールのスピード)です。
ナチュラル(赤)とポリエステル(青)を比較しています。予想されるように、特にスピン・サーブにおいて、ポリエステルのスピン性能がナチュラルより優れていることを示しています。どのサーブにおいても、打球速度は、ナチュラルとポリエステルに違いはありません。
ナチュラルとポリエステルで打球速度に違いが無いということは、手に伝わる衝撃も違いがないことを意味しています。ボールを飛ばす源がボールとラケットの衝突における衝撃力で、それが何分の1かになって腕に伝わるからです。
ラケットの設計が良ければ(ラケットによって手に伝わる衝撃が最小になる握りの位置は異なりますが、短すぎず、長すぎず、ハンドルを把持すれば、たいていは気にならない大きさです。
すなわち、以上から、ポリエステルの武器としての性能は、すでにナチュラルを超えていることを示す実測例になっています。
楽器としての性能は、神様が創ったナチュラル(天然)ガット(羊や牛の腸)に比べて、人間が創った人工の弦の音や振動は、永遠にかなわないのかもしれませんが!
(参考文献)
・テニスラケットの科学(246)~テニスラケットの科学(256)
:スピンとストリング(44) :プロのストリンガーも誤解しているストリング:なぜポリ系ストリングが天然ガットとナイロンを凌駕したのか- テニスラケットの新しいストリング性能論とプレースタイル変革の視点から -(テニス学会2013 東京 2013.12.07 講演PPT抜粋)~