テニスラケットの科学(505)
:テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(43)
:サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(42)
:スピンサービス 習得のコツ(上級編)* :再度、フェデラー選手のサーブを見る!

● 最近のテニス雑誌(スマッシュ(日本スポーツ企画出版社発行)2022年11月号18頁~19頁)に、サービスに関して、「シフィオンテク選手」をモデルにして、
“ ボールをインパクトするのは、ラケットヘッドを起こし切る前であることがスピンの鉄則です。
起きてからインパクトすると、それ以上振り上げることができません。当然スピンもかけられず、ボールを打ち下ろすスイングになってしまいます。
まだヘッドが起きる前に低い所で捉えるからこそ、打点からさらにボールを持ち上げられるわけです。

と、解説されていますが、「異見あり!」です。
●(異見!)
・連続写真を見ると、振り上げてヘッドを起こすのではなく、(ヘッドが落ちた状態で)腕を振り上げて、腕がトップの位置に達してから、さらに腕を振り下ろすことによって、ヘッドが遅れて振り上がって(起きて)いますね。
・さらに、ヘッドが起き切る前にインパクトしているのは、縦糸で縦スピンをかけるためでしょう。
・縦スピンがかからないと、フラットか、横糸による横スピンになって、サイドに散らばることになるのではないでしょうか!
(追記)
● さらに確認して理解を深めるために、フェデラー選手のサーブを再度(*2)見てみます。7枚の画像を次々にクリックして、肩・上腕・前腕・ラケットヘッドそれぞれの動きと角度、さらに変化の速さに着目して見ていただければ理解が深まると思います!
● 肩・上腕を振り下ろすことによって、ラケットヘッドが、高速で、勢いよく、振り上がる様子が見えます。(7枚目)インパクトでは、腕は、かなり前方に振り下ろされており、ラケットヘッドは高速で振り上がっています!
・画像:01~07:テニスラケットの科学(419)~(425)から引用。

9:肩・上腕が上方に持ち上げられつつあります。
ラケットヘッドは、まだ、下方にあります。

10:ラケットヘッドは下方に位置したまま、上腕、肘が持ち上がり、上腕が垂直に近づいています。

11:上腕が垂直、肘がトップ位置、前腕は水平状態から、ラケットヘッドは下方から持ち上がろうとしています。

12:肩がかなり回って上腕は垂直状態、前腕も垂直に近づき、ラケットヘッドは水平に近くなっています。

13:ラケットヘッドは水平状態ですが、上腕が下方に振り下ろされ始め、腕がほぼ垂直に一直線になっています。

14:垂直・一直線になった腕が前方・下方に振り下ろされ、ラケットヘッドが上方に立ち上がっています。

15:インパクトでは、腕は、かなり前方に振り下ろされており、ラケットヘッドは高速で振り上がっています!
一直線になった腕が前方に振り下ろされ、ラケットヘッドがほぼ垂直(トップ位置)になったところでボールをインパクトしています。肩も腕も十分に回転していることを示しています。

(追記)
● 構えからバック・スイング(テイクバック)、フォワード・スイング、インパクト、フォロースルーまでの一連のスロー映像は、以下の記事にあります。

テニスラケットの科学(418)サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(33)