テニスラケットの科学(621)
:テニスラケットの科学(590)の補足
:(サイト)「素人の、素人による、素人にもためにならないテニス理論」に掲載された記事
「スナップ・バックは幻想じゃない(笑)」  2015年04月28日*の紹介

●  「スナップ・バック」に関する記事です。とても面白く、プロのストリンガーやコーチにとっても「とても、ためになるテニス理論!」だと思いますので、紹介させていただきます。
*(サイト)「素人の、素人による、素人にもためにならないテニス理論」
スナップ・バックは幻想じゃない(笑)  2015年04月28日
https://ameblo.jp/dasadasacoach/entry-12466243680.html
 以下は、記事の抜粋・引用です!
“ 
 横糸がボロボロなのです。
 多くの場合、ストリングは縦糸が切れることが圧倒的に多い。
 が、NXTなどの一部のストリングでは横糸が切れることが多いのです。
 これはストリングの耐久性と摩擦の違いによるのですが、これこそが「スナップバック」の証拠なのです。
 スナップバックとは、ボールとストリングが接触した際、ストリングが「ズレ」を起こし、それが戻るときの動きによって、ボールに加えられる回転が増す、という現象のことです。
 いまだにこの「スナップバック」を信用していない非科学的な中世人プレイヤーも多いようですが(笑)。
 この画像を見れば、いかに縦糸が大きく「ズレ」ているかが分かると思います。
 横糸を削り取るぐらいですからね。

“ 
 ポリ系の場合、表面の摩擦係数が低いためにスナップバックが起こりやすい、と言われています。
 そのうえで、縦糸が大きくずれるため「ノッチ」と呼ばれるへこみが生じて、それが縦糸の切れる原因となります。
 逆に多くのナイロンは、そのコーティング素材にもよりますが、比較的ポリエチレンなどに比べれば摩擦が大きく、縦糸と横糸のひっかかりが大きいため、スナップバックが起こりにくい、と言われています。
 実際、高校生のときには、今ほどポリ系のストリングがなかったため、ナイロン系のストリングスを張っていたのですが、プレイの合間によくストリングスの「ズレ」を直していたものでした。
 一度ズレると、摩擦によってまっすぐ戻りにくかったからです。
 が、ポリ系のストリングスが中心になってからは、ほとんど試合中にストリングを直すことがなくなりました。

“ 
 スナップバックを否定する「中世人」(笑)の主張で、「ストリングを指で動かそうとしてもなかなか動かないのに、スナップバックという現象が起こるほど、ストリングがズレるはずがない」 というものがありますが、それはその感覚自体が馬鹿げています。
 ボールとラケット(ストリング)はアマチュアでも100km/h以上の相対速度でぶつかります。
 そこで生じるエネルギーを、指先だけで再現できるわけがない。
 あんたは、自分の指がどれだけ強いと思ってるんだ、というね(笑)。
 みなさんも、ストリングの表面にベビーパウダーのようなものをまぶして、打ってみてください。
 打つ面を固定しておかないと訳が分からなくなってしまいますが、ストリングスの打っていない方の面の横糸のベビーパウダーが、きれいにはがれているのが分かると思います。
 それがスナップバックが起こっている証拠です。

“ 
 スポーツ科学の論文でも出ていますから、機会があれば読んでください。
 ただ、気をつけなければならないのは、この「スナップバック」という現象は、スピンを「増す」程度のものであって、どんな打ち方でも生じるものではない、ということです。
 しっかりとスピンがかかる打ち方をしている人が、ストリングやラケットとの相性によって生じたスナップバックにより、スピン量が増したように感じる、という程度です。
 つまり、しっかりとしたスピンが打てない人ほど、このスナップバックを信用しません(笑)。
 というか、ナイロンとポリの違いによる、スピン量の違いが実感できないからです。

● 画像1:Wilson TXT:上記の記事
https://ameblo.jp/dasadasacoach/entry-12466243680.html
から。

画像ー1

● 画像2:図1の拡大図(Wilson TXT)
*(サイト)「素人の、素人による、素人にもためにならないテニス理論」
スナップ・バックは幻想じゃない(笑)  2015年04月28日

画像ー2


https://ameblo.jp/dasadasacoach/entry-12466243680.html

●(参考資料)
 テニスラケットの科学(590)
:スピン量と打球速度はインパクト(1000分の3~5秒)で決まる⑧
:打球速度とスピンの生成原理(例5) ストリング(ナチュラル、ナイロン、ポリエステル)の反発力は同じなのに、ボールの飛びが違うのはなぜか?
(Natural、Nylon、Polyesterの打球速度の速さ、方向を予測)
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-590/

 テニスラケットの科学(301)
:プロのストリンガーも知らないストリング
:「スナップバック」の源流と用語の起源(6)
:New String Theory(新しいストリング理論)4
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-301/