テニスラケットの科学(667)
:テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり
:ストリングの②「面圧」(正しくは「面剛性」)の解説*に異見あり									
		* (引用記事)
・The Digest  スマッシュ 【テニスストリング基礎知識】
 「ハイブリッドは横糸のテンションを下げたほうがいい」と勧められたが、どうする
 <SMASH> スマッシュ編集部 2024.03.23 
https://thedigestweb.com/tennis/detail/id=78559
テニスラケットの科学(666)の補足:
 図1:張り上げテンションと面圧の解説に異見あり!

図ー1
 図2:ストリング面の縦糸、横糸の1本、1本のテンションは異なる!

図ー2
 図3:プロのストリンガーも誤解しているストリングの張り上がり・テンション ストリングスの張り方・テンション分布 (1本張りと2本張りのテンション分布の違い)測定例

図ー3
ストリンガーの回答に「異見あり」です。
 “横糸がポリエステル製の場合、横糸の面圧のみが高くなるため、フレームの変形を防ぐ意味合いとして横糸のテンションを下げてバランスをとることがあります。”という回答には、「面圧」に誤解があります。
 「面圧」の定義は、編まれた縦糸と横糸の面全体の面剛性であって、横糸だけの面圧というのはありません。
 図4は、 面圧(正しくは面剛性)の測定法です。
  張り上がりテンションが同じでも面圧はたわみ量に比例して増大します。

図ー4
 図5は、 面圧(正しくは面剛性)の実測値(例)です。
  張り上がりテンションが同じでも面圧はたわみ量に比例して増大します。

図ー5
結論は、前稿に記したように、 ストリンガーさんにまかせて、フレームが変形しないように張ればよいのではないでしょうか。
(参考記事)
 テニスラケットの科学(537):
 テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(47):
 ストリングの太さ(ゲージ)とラケット性能➃:
 誤解されやすいインパクトにおけるストリング面の硬さ(面圧、復原バネの強さ):
 インパクトにおけるストリング面は、幾何学的な構造上、たわむほど硬くなる(たわみにくくなる、面圧が高くなる)!
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-537/
