テニスラケットの科学(824)
:プロのストリンガーも誤解の多い「ストリングの基礎知識」
:テニス書・テニス雑誌の解説に「異見あり!」
:(小まとめ9) (川副研究室)

(小まとめ9) (川副研究室)
81
・テニスラケットの科学(789)
:テニスラケットの科学(111)の補足4
:研究の思い出 1990
:ヤマハ(株)スポーツ研究室室長・T博士からのラケット研究開発の進め方についてのアドバイス
82
・テニスラケットの科学(474)
(備忘録)  テニスボールは優れもの!
(2) :ボールとストリング面の衝突速度が増大しても反発係数がほとんど低下しない理由
83
・テニスラケットの科学(473)
: プロのストリンガーも誤解しているストリング・テンション
:ストリング・テンションと「ボールの打ち出し角度」の誤解を解く
① ボールのネット通過高さ(トラックマンによる測定例:参考データ)
84
・テニスラケットの科学(472)
:ストリングのゲージ太さ(直径)とスピン量の関係
:トラックマンによる測定例
: フォアハンド、バックハンド、フラットサーブ、スライス・サーブ、スピンサーブにおける1.1 ㎜、1.2 ㎜、1.3 mmの比較
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・テニスラケットの科学(471)
:ストリングのゲージ太さ(直径)とボールの飛び(打球速度)の関係
:トラックマンによる測定例
:フォアハンド、バックハンド、フラットサーブ、スライス・サーブ、スピンサーブにおける1.1 mm、1.2 mm、1.3 mmの比較
86
・テニスラケットの科学(468)
:ストリング素材とボールの飛び
:トラックマンによる測定例(ナチュラルとポリエステルの比較)
87
・テニスラケットの科学(33)
:ITFによるテニスラケット反発性能実験
88
・テニスラケットの科学(20)
:トップ・スピン打撃におけるボールとの接触、ボールのつぶれ、ボールが飛び出す瞬間
89
・テニスラケットの科学(12)
ストリングは、何が、スゴイのか?
90
・テニスラケットの科学(5)
ボールとラケットの衝突速度、張った時のテンション、インパクトでのストリング面圧(面バネ剛性)、ストリングのたわみ量の関係

画像ー1

(注釈)
画像2
:手持ちラケットとプレーヤーの等価質量をグリップ部に付加したラケットの反発力係数測定結果
Rebound power coefficients e of a handled racket and a racket with equivalent mass of an arm.
共同研究者・ミラノ工科大学 F Casolo教授提供。
縦軸:反発力係数=(ボールの跳ね返り速度)/(ボールの入射速度)
横軸:ボールとラケットの衝突速度 km/h
♢ プレーヤ(腕)の重量をラケットのグリップ部分に換算質量として付加したラケット
▲ 手持ちラケット
・ボールをラケット面の中心に衝突させた場合の両者の反発力(係数):実験結果は、良く一致している。
・ラケットの反発力に直接に影響するのは、反発係数ではなく、反発力(係数)です。

画像ー2

画像3
:プレーヤーの等価質量をグリップ部に付加したラケットとグリップ自由(拘束のない)ラケットのストリング面打撃位置に換算した質量
Reduced mass of the racket arm system
縦軸:ストリング面の打撃位置に換算したラケット・腕系の換算質量
横軸:ストリング面の中心から先端側および根元側の打撃位置までの距離
ストリング面の打球位置の違いによって、ラケットの重さの影響は大きく異なります。
ストリング面の中心に換算した重量は、ラケットを手で把持した場合と宙づりのラケットの場合で違いはなく、約200グラムです。
すなわち、
グリップを強く握ってもゆるく握っても、ラケットの重量の影響や反発力には違いがないということを示しています。

画像ー3

画像4:
実験モード解析と衝突の理論を結びつけることによって、衝突現象をシミュレートすることができます。
ラケット面の衝突位置によって、フレームの曲げ振動、捩じり振動、ストリングの膜振動の成分の大きさがわかります。
また、ボールとラケット(ストリング面)の相互作用、衝突力と接触時間のメカニズムを理解することもできます。

画像ー4

画像5:
スイートエリアで打球すると、(カタログや雑誌の解説記事などとは異なって)市販の厚ラケとノーマルの反発力の違いはなく、重量の違いによることがわかりました。

画像ー5

(文献)
ITF主催、第2回テニスの科学技術に関する国際会議で発表、 川副ら2003年
Prediction of the shock vibrations at the wrist joint with the new large ball compared to the conventional ball impacted to the tennis racket during forehand stroke
Kawazoe, Y., Tomosue, R., Yoshinari, K. and Casolo, F.
Tennis Science & Technology 2, pp.105-112. (2003). International Tennis Federation.