今にピタリと寄り添って生きる

「いまといふ いまなる時は なかりけり まといふ時に いの時は去る」という古歌を引用して,古武術研究者・甲野善紀さんが「今にピタリと寄り添って生きることを見つけだせば、それはそのまま名人の世界の筈」と語られています。還暦をとっくに過ぎた今が一番身体の動きが速くて威力があるそうです。
ベテラン現役のクルム伊達公子選手,鈴木貴男選手には,生涯現役選手として,気が付いたら還暦だったという年齢まで,我々シニアのテニス愛好家のためにも,ぜひダブルスでウィンブルドンを目指してほしいと思います。
100年前には飛行機もなく,60年前にはコンピュータもありませんでした。私の研究生活もいったん店じまいをしましたが,突然に研究の相談や問合せなどもありますので,頚椎椎間板ヘルニアによる11年間の中断後に,最近,再開したテニスの実践を最優先にして,趣味の研究も再開することになりました。これからは未知の世界で何が起こるかわかりませんが,テーマが向こうからやってくる限り,科学技術・文明・文化の価値をエントロピー的視点(量より質?)で考えながら研究も楽しみたいと思っています。
私のささやかなテニスに関する「研究発表」も,最近は,一部ネットで公開されるようになってきましたが,主に研究者向けに論文として書かれているために一般にはとっつきにくいものだと思います。したがって,このホームページでは,可能な限り研究論文を整理して公開するとともに,海外の最新の研究成果も参考にして,時間をみつけて,テニスを愛する多くの人に役立つわかりやすい情報にして動画や画像を多く使った「テニスのお話し」という形で提供できればと思っています。

テニスラケットの性能予測

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テニスなどのスポーツ工学に関する研究です。プレーは用具の性能で変わります。用具の性能も使用者やプレーの状況で変わります。従来経験的に評価されていたテニスや卓球のラケット性能をコンピュータ支援により工学的に予測・評価するシステムを開発しました。 インパクト(瞬間的大変形の非線形・衝突現象)の謎を解く研究です。

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人間の巧みさと習熟

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人間はどのようにして自転車に乗れるようになるのでしょうか。生物が生きている状態を最も明白に表す現象の一つが運動です。運動には、われわれが日常何気なく行っている動作からスポーツ選手や音楽家が見せる超人的な動きまで、限りない多様性があります。ロボティクス(ロボット学)は人間や動物の運動機能を機械的に実現しようとするものにほかなりませんが、ロボットを実現するためには超ロバスト(頑健)な制御が必要です。人間の技量・巧みさを獲得する研究です。

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知能ロボットの巧みな動き

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野球の達人・イチロー選手の特長は,柔軟さ・順応力です。現実の世界で人間と共存するロボット実現のための理論は、イチロー選手の「場」の哲学の中に見出すことができます。包摂構造(サブサンプション・アーキテクチャ,SA)的な開発スタイルで,要素行動を積み上げていく移動ロボットの自律走行や二足歩行ロボットの動的障害物回避における創発(全体は部分の総和以上のもの)について研究しています。

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