テニスラケットの科学(356) :「日本ラケット工業協同組合」の”テニスストリングの張替タイミングはいつ?”に「異見あり!」(6) :張り替えタイミング・私見
● 日本ラケット工業協同組合では
” Q: テニスストリングの張り替えタイミングはいつ?
A: 3ヶ月以内
”
という張替を推奨するポスターを作製し、
” ストリングは一度も使用していなくとも早いものでは半月、最長でも3ケ月にてストリングが弾力性を失うことが実証され”
” 打球時の振動が多く発生し手首や肘を痛める原因にもなり得る”
と書いていますが、
これらは多くの実験結果と矛盾するので「異見あり!」です。
● 「ストリングが古くなっても、反発性能は低減せず、振動が多くなることもなく手首や肘を痛める原因にはならない」という論文が多く出ています。
● 新しいストリングは、特に「トップスピンを重視するプレイヤー」の場合、スピンがかかりやすくなり、打球速度は低減するので、コントロール性が増し、アウトしにくくなります。
● フラット系のプレイヤーの場合は、スピン量が少ないので、同じスイング速度でも、打球速度成分の割合が多いので、打球速度は速く、ストリングが古くなっても、プレイへの影響は少ないということになります。
● ラケットを使わなくても、ストリングの縦糸・横糸に多少のノッチ(溝)ができるので、ストリングの反発性能は変わらなくても、スピン性能は低減していくことになります。
● ” Q: テニスストリングの張り替えタイミングはいつ?”
に対しては、
A: 「ストリングの弦楽器としての性能」(音色など)と「打撃用具としての性能」を考慮して、ポケット・マネーとも相談して、個々の判断で張り替えれば良いと思います。
従来と何の違和感もなく、気持ちよく打てると感じているのなら、わざわざストリングを張替る必要はないですね。
違和感がある場合は、自分のテニス技術の問題かどうかも考えて張り替えたり、気分転換にいろいろなストリングを張り替えるのもありでしょうね。
私見ですが、ラケットもストリングも、試打したときの感覚のほかに形や色や匂い(?)の好みも大事で、好きであること(愛すること)が一番重要だと思います。
愛すれば、ラケットの特長を熟知することになり、ラケットの特長を生かしたスイングができるようになるのではないでしょうか?
トップ・プロの選手で、ラケットを叩きつけたりするのは、本当は、そのラケットを愛していないのでしょうね!
(追記)
往年の名選手・名黒明徳さん(昭和54年 JOPランキング 男子1位)から次のような貴重なコメントをいただきました。
” 選手がラケットのガットを張り替えるのは良くスピンをかかることと、飛び過ぎてアウトしない為と思いますが?”
(追記2)
往年の名選手・名黒明徳さん(昭和54年 JOPランキング 男子1位)から次のような貴重なコメントもいただきました。
” 世界のトップ選手たちのコントロール力は9ゲームごとのラケット交換から生まれてきたものですね!”