テニスラケットの科学(835)
: テニスラケットの科学(831)の補足3
:なぜ、テニス雑誌のラケット性能についての解説記事は、自分勝手な妄想の世界なのか?
:東京大学史料編纂所教授・本郷和人氏のインタビューでの意見*に関連して ④
:ラケットのしなりでボールを飛ばすという記事は間違い!
(実際は)インパクトでラケットは(少し傾くけど)しならない!
ボールの飛び(打球速度)に最も影響するのはラケットの重量配分(ストリング面の打点位置に換算した重量)
:(例)ラケット(110 平方インチ、275 グラム)とラケット(100 平方インチ、300 グラム)のストリング面の中心に換算した重量は 180 グラム(ほぼ同じ)→ 両ラケットのボールの飛び(打球速度)がほぼ同じ
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・最近の複合材ラケットは、フレーム剛性が違っても反発力、打球速度に違いがありません!
どのラケットも剛性は必要十分だからです。
・ストリングをラケットに張るときに、ストリングの横糸を、縦糸と同じ、あるいは縦糸より強い張力(テンション)で張るという話が時々見られますが、30年前では、常識では、考えられなかったことだと思います。
横より縦が長い楕円形状のラケット・フレームに対して、横を縦と同じテンションで張ったら、当然ですが、構造的に、フレームは変形してつぶれてしまうからです。
現在のラケットでは、横を縦と同じテンション、あるいは縦より強いテンションで張ってもつぶれないとしたら、それはラケット・フレームの剛性が非常に高いからであって、フレームには当然に過大な負荷がかかっているので(フレームが必死に我慢している!)、構造力学的に良いストリングの張り方だとは言えないと思います!
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画像1:
フレーム固有振動数(動的剛性)の異なるラケットの(ストリング)面上の打球位置と打球速度
(川副研究室)

画像ー1
画像2:
ラケット形状図(ストリング面上の打点位置と手の握りの位置)

画像ー2
画像3:
固有振動数(動的曲げ剛性)設計を意図したラケット2種の物理特性(川副研究室の実測値)

画像ー3
画像4:
現在のラケットの剛性は薄ラケでも十分高い

画像ー4
(参考文献)
・Analysis of Impact Phenomena in a Tennis Ball-Racket System
: Effects of Frame Vibrations and Optimum Rocket Design、
Kawazoe Yoshihiko, Kanda Yoshifumi、
JSME international journal. Ser. C, Dynamics, control, robotics, design and manufacturing 40(1) 1997-03-15 p.9-16
https://kawazoe-lab.com/…/analysis-of-impact-phenomena…/
https://kawazoe-lab.com/wp…/uploads/2016/08/19970305.pdf
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ラケットの物理特性(仕様)をみると、V-CON20 の方がフレームの固有振動数が高いので、硬いように見えますが、実際は、グリップ部分の重量を25グラム軽くしたことによるもので、フレームの剛性の違いは小さいはずです。
ラケット面(ストリング面)中心に換算した重量が等しいので(180 g)、反発力もヘッド速度も打球速度も違いがないことが予測できます。
両ラケットの違いは、持ち運びするときの重量が25グラム異なることと、弦楽器的な性能、すなわちインパクト時の振動数や音が異なる(V-CON20の方が高い)ということだけで、打撃用具としての性能には違いがないことが予測できます。
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(参考記事)
・テニスラケットの科学(831)
:テニスラケット性能論
:なぜ、テニス雑誌のラケット性能についての解説記事は、自分勝手な妄想の世界なのか?
:東京大学史料編纂所教授・本郷和人氏のインタビューでの意見*に関連して
“ 本郷: 基本的には参考文献が載っていない本はダメです。参考文献や歴史資料がない本は自分勝手な妄想の世界ですから。
“* *BLOGOS 「歴史を語るには大人の分別が必要」日本史学者・本郷和人氏に聞く 歴史の読み解き方 村上隆則 2019年03月05日·
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-831/
・テニスラケットの科学(832)
: テニスラケットの科学(831)の補足1
:なぜ、テニス雑誌のラケット性能についての解説記事は、自分勝手な妄想の世界なのか?
:東京大学史料編纂所教授・本郷和人氏のインタビューでの意見*に関連して②
“本郷: 参考文献や歴史資料がない本は自分勝手な妄想の世界ですから。“
* *BLOGOS 「歴史を語るには大人の分別が必要」日本史学者・本郷和人氏に聞く 歴史の読み解き方 村上隆則 2019年03月05日
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-832/
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(次稿に続きます!)
