テニスラケットの科学(104)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(11):地面を蹴る動きについて

「チカラの源は地面を蹴る力(反力)にある!」、「後ろ足にチカラを溜めて、蹴りだす」などの解説が見られますが、(異見あり!)です。

【地面を蹴らないスイング】

瞬間的に股関節を折りたたんで、前足の形を後ろ足の形に、後ろ足の形を前足の形に変えることにより、身体構造と転倒力(重力)を利用して、地面を蹴らないで、一瞬で鋭く身体を回転させることができます。
映像は、二足歩行ロボットによる地面を蹴らないバックハンド・スイングの例です。
身体をねじるのではなく(ロボットは身体をねじることはできませんので)、左右の股関節を入れ替えるだけです。
すなわち、足裏を浮かして(踏ん張らないで)前脚を後ろ脚の形に,後ろ脚を前足の形に瞬時に切り替えると転倒力により回転します。

動画:二足歩行ロボットによる地面を蹴らないバックハンド・スイング実験(川副研)2005年。

参考文献
・パワーテニスにおける滑りにくい転倒しにくい身体負荷の少ない省エネ・フットワーク
Energy Saving Footwork that is hard to Slip and Turn over with a Little Physical Load in Power Tennis、川副嘉彦、シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2013 〔No.13-34〕日本機械学会、pp.1-10.

テニスラケットの科学(104)の補足(2020/4/8)➡