テニスラケットの科学(123)  テニス・スイングにおけるパラメトリック加速(13):現代テニス・ストロークにおける身体とラケットの操縦法(私論)

昔、木製ラケットの時代に、ローズウォールのコマ写真を見ながら独学(?)でテニスを覚えた身には、4,5年前、11年ぶりにテニスコートに立った時、ヘビーなトップスピンにタイミングが合わずに、散々でした!

その時に一番気になったのが、トップ・スピン打法について、構えの体勢からインパクトまで、ラケットをどのように操作しているのかということでした。しかし、テニス書もテニス雑誌も、その方法を明解に説明してくれるのはありませんでした!
試行錯誤しているときに、「テニスの科学」(1980年)の著者でもあり、現在も週2回ほどプレイを楽しんでいるという三浦公亮先生から、「テニスにおけるパラメトリック」の極意を獲得したら伝授してほしいという冗談半分(?)のメールをいただきました。
そういうこともあって、ネットにでているスローモーションの動画を注意深く見ていたら、最近、現代トップ・スピンの打法のメカニズムが少し見えてきました!

この動画(スローモーション)も、たとえば、フォアハンドの場合は、
股関節の折りたたみを利用して上体をターンしながら、肩関節を利用して上腕を内側に回転(内旋)してフォアハンドの「構え」の状態をつくり、そこから、肩関節を利用して上腕を外側に回転(外旋)させながら、フォワード・スイングに至っています。

そうすると、肘関節と手首関節の角度は変えないで、肩関節を使って(肩の動きで)、一気にインパクトに至り、インパクト後もラケット・ヘッドが自然に身体に巻き付きます。

肩の動きで打つと、強打しても肘や手首の負担が少なく、適切なタイミングでヒットすれば、身体の関節構造から、(パラメトリック加速:インパクト直前にラケット・ヘッドの遠心力に逆らってグリップが引き付けられることによりエネルギが注入され、ラケット・ヘッドが加速されることにより?)球速があって、回転量の多い安定した打球が予測されます。