テニスラケットの科学(125)の補足 1
テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(20)
:テークバックとフォロースルー(2) (小さなフォアの構えから大きなテイクバック&フォワードスイング始動が発現するメカニズム)

● テニス界の高名なTコーチ(講師)のテニスフォーラム「ボール速度を高めるコツ」(動画あり)においても、
 『ラケットを立てて引きなさいということは、落とすまでの間に加速が生まれる。これによってヘッドのスピードがあがるのでスピンがかけやすい。あらゆるボールに対応しやすい。身体に近い位置に置く。選手によってはラケット先端が相手の方を向いている。これでやれば速く振れる。
 手首を固めるのではなく、変化させるので難しい打ち方。見本を打って見せることが難しいため、手首の形だけでも見せる。ラケットを返す指示を出すと、肘を使って打つ選手がいるため要注意。手首の「動き」を教えてはいけない。
 高速で起きるところは教えられない! フォワード・スイングは始まってから、高速で起きることをいじりだしたら、選手は、できません! ということになる。手首の動作は自動的な動作であり、力もいらない。』
という興味深い解説がありますが、
それ以上の説明は無いようです。(ご参考までに:動画



 図のコマ写真12(インパクト直前)⇒13(ほぼインパクト)⇒14(インパクト後)では、腰はほとんど回転していないので、ほとんど肩関節トルクだけで腕とラケットが回転しているように見えます。
 もっと時間刻みの細かい精密なデータがあれば、刻々のグリップ位置の速度変化から刻々の肩関節トルクが推測できるはずですが、おそらく、インパクト後のコマ写真14では、肩関節トルクはマイナス(ブレーキをかける)(回転角速度は最大値から減速していく)と予想されます。
 もし、インパクト後に肩関節トルクがゼロだとしたら、あくまで理論的にはですが(ニュートンの法則により)、最大回転角速度のまま回転するはずです(もちろん関節の可動域範囲内での話です)。
 したがって、フォロースルーで、自分が打ったボールをラケットヘッドで追うイメージではなさそうです(?)。
●(Hさんのコメント)
 テークバックは小さく、しかしラケットヘッドは大きく動かし、真後ろになった時、最も大きな円運動の始まりになる様に準備していたのですね。そしてやや大きすぎるほどの円運動をしながらインパクトに近づくにつれ、通常の円運動に戻す感じですね。