テニスラケットの科学(175)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(32):インパクトの瞬間のラケット面について(2)

テニス雑誌・最近号(*1)特集『エッグボールをゼロから学ぶ』「①ボールをつぶして勢いよく前方に飛ばす」というテーマに関する(異見あり!続き)です。

インパクトにおけるスイング軌道とラケット面の角度、スピードやスピン量に関して、参考文献(わかりやすい図、*2)がありましたので、紹介させていただきます。
添付図(*3)は、フォアハンド・トップスピンのインパクト後の打球速度、方向、スピン量(回転角速度)がどのように発現するかを示したものです。これは、実際にボールを打撃したときの高速度カメラで撮影した映像の連続写真から作成したものです。
ボールはA➡B➡Cと飛んできて、Eでラケットにぶつかり、ラケットもA➡B➡Cとスイングされて、Eでボールにぶつかっています。ただし、緑(スイングによるラケット・ヘッド速度)の➡はD-E間を動く速さ、インパクトの瞬間の方向です。Eがインパクトのポイントで、ラケット面はほぼ垂直になっています。
インパクト直前・直後の間には、ボール・ラケット間の反発特性および摩擦特性が(スナップバック効果なども)関係していることになりますから、実際の現象はとても複雑です!

インパクトにおけるラケット面の影響については、次回(3)に紹介させていただきます。

*1:「エッグボールをゼロから学ぶ」、テニス雑誌・スマッシュ、2019年6月号、pp.4-20.
*2:「ゲームに勝つテニス」、三浦公亮・坂井利郎・蝶間林利男共著、光文社、1982年
*3:「ゲームに勝つテニス」、三浦公亮・坂井利郎・蝶間林利男共著、光文社、1982年、プロローグに掲載の図を川副が抜粋・編集したものです。
(20190623-打球速度、方向、スピン量の発現-三浦らの図から抜粋・編集-cap付-Sm-川副)