テニスラケットの科学(267)
:スピンとストリング(65)
:プロのストリンガーも誤解しているストリング
:なぜプロは試合中にラケットを替えるのか
- ストリングの武器としての性能と弦楽器としての性能のメカニズム(実験と理論に基づく考察) -
(テニス学会2016 横浜2016.12.09 講演PPT抜粋)―11
(結 論)
なぜプロは試合中にラケットを替えるのか:
(1) ストリングが古くなっても反発性は低減しない.
(2) ストリング・テンション(初張力,取付荷重)は,弦楽器としての性能(感知できる振動,音,心理的)に影響しても,武器としての反発性(打球速度)には影響しない.
(3) ストリングは使用するほど,ノッチ(溝)ができて,スピン性能が低下するので,特に,トップ・スピン打撃ではコントロールが難しくなる.
したがって,試合の途中で選手がラケットを替える主たる理由は,時間の経過とともに低減するスピン量,コントロール性能を回復させるためであると考えられる。