テニスラケットの科学(305) :プロのストリンガーも知らないストリング:「スナップバック」の源流と用語の起源(10) :New String Theory(新しいストリング理論)8

● ストリング研究開発の新しい展開(その4)
 下記は、Vol.7, No.4 (2011年7月号)に掲載されたSpeckman氏のOn-line Articleの要約部分翻訳したものです。
” ● 要約
 前報*3では,コーポリ(ポリエステル)・ガットが実際に機能する際のメカニズムや、プロによるゲームの戦い方を変革する上で果たしてきた役割について紹介した.
 しかし40年前にも,同じガットのスライド・跳ね返り(”snapback”)のメカニズムを利用した過激な発明が、ゲームの様相を根底から変えそうな状況があった.
 信じがたいことかもしれないが,1970年代の一時期、悪名高い「スパゲッティ・ガット」がプロテニスのゲームで現在最高のコーポリ・ガットをも凌ぐ強力なスピンを生み出していた.
 しかし,規制対象とはなっていないコーポリ(ポリエステル)・ガットとは異なり,「スパゲッティ・ガット」はプロテニスツアーへの登場直後に、国際テニス連盟(ITF)によって禁止された.
 これは,コーポリ(ポリエステル)・ガットの優越性が強力なスピン技術の歴史に対する注目を呼び起こすようになるまで,ほとんど忘れ去られていた事実である.
本報では,(短命に終わった)スパゲッティ・ガットの時代と,その直後に何が起こったのかということを改めて考察するとともに,スパゲッティ・ガットの考案者である無名のドイツ人発明家に最近行われた貴重なインタビューの一部を紹介する.