テニスラケットの科学(334) :テニスラケットの性能設計⑦: テニスラケットの力学 :ラケットのパワー(打球速度)は反発力とヘッド速度のバランス

(図1)
● 打点に換算した換算質量が大きいほど、反発力は大きくなりますが、ラケット・ヘッド速度は遅くなります。
 ラケットのパワー(打球速度)は、反発力とラケット・ヘッド速度で決まります。

図ー1


(図2)
● ボール質量と換算質量の比が小さいほど、ラケットの反発力は大きくなります。
 ストリング面の中心付近で打撃したときのストリングとボールの反発係数は0.8~0.85程度ですが、ラケットとボールの反発力係数は0.4程度になります。
● ラケットの換算質量(慣性モーメント:スイングウェイト)が小さいほど、スイング半径が大きいほど、ラケットヘッドの速度は速くなります。

図ー2


(図3)
● ラケットのパワー(打球速度)は、反発力とラケット・ヘッド速度で決まりますが、相手のボール速度も影響します。
● サーブ速度は、ラケット・ヘッド速度の約1.4倍です。

図―3


(図4)
● ストリングを張って290g(フレーム275g)と370g(フレーム355g)の比較です。
 換算質量が大きくは変わらないように設計されているので、ラケットのパワー(打球速度)も大きくは変わらないように設計されています。

図ー4