テニスラケットの科学(452)の補足
研究の思い出
:機械系学生の情報誌・メカライフ特集
:「スポーツ工学」(1996年)
●日本機械学会・メカライフ,No.44(1996-6)「(特集)スポーツ工学」目次紹介(その2)
●“「SportsEngineeringスポーツ工学」創造”(1992年)
“学問の始まりのときには常に混とんがある。
その時点では何人も絶対に確かな定義、用語、数式を与えることができない。
そういう混とんのなかに、徐々に普遍的な学問の体系を創って行くことこそ、学問の草創期の素晴らしい楽しみではないだろうか。
このような考えに従えば、今性急にきちんと定義を与えることは、かえって学問の正常な発達を阻害することになるかもしれない。
これほど人間系と機械系が複雑にかつ面白くかかわりあっている分野はない。
例えば、テニスの一場面を想定すると、そこではボールとラケットという機械系とプレヤーという人間系があり、この二つの系は運動と情報の二つのルートでダイナミックに関係している。
何という難しいシステムであろうか。
このことから、これは境界領域の見本のような学問であり、また極めつきの難しい学問だ、ということが言える。
一方、スポーツ工学は「楽しみの工学」だという見方もできる。
それは、対象としてのスポーツの本質が人間の楽しみにあり、この学問を通じて人間の幸せに寄与できるからである。
そして、研究そのものも未知の現象で、まだ数式の形を与えられていない現象に満ちていて楽しいのである。
楽しみの工学の一つ位あることが、文化の確かな証しではないだろうか。”
“From「スポーツ工学事始め」by三浦公亮・宇治橋貞幸In日本機械学会誌1992年11月号、pp.967-970.
“
●「SportsEngineering」という用語は、世界(英国)に先駆けて生まれた、日本発の、用語です!