テニスラケットの科学(480) (備忘録)  テニスボールは優れもの! (8) :“Science and Racket Sports”について(追記)

 手で把持した(スイング無し)ラケット・ストリング面にボールを衝突させたときの反発力特性(縦軸):
 ラケットの種類(ノーマル,超軽量,デカラケ,厚ラケ,デカラケ・テンション45&55ポンド),
ボール速度(横軸),
 ストリング面の衝突位置を変えた場合((a),(b),(c)の縦軸の目盛が異なることに注意!)
(注)
反発力特性(反発力係数)の定義
:グリップ自由(フリー)あるいは手でハンドル部分を把持した状態でボールを衝突させたときの
「(ボールの跳ね返り速度)/(ボールの入射速度)」
① ストリング面中心付近(いわゆるスイートスポット)で衝突すると,衝突速度が増して,ボールのつぶれもストリング面のたわみも大きくなっても,ラケットの反発力特性(反発力係数)は低減しません!
② ラケットの反発力特性(反発力係数)は,根元側,中心付近,先端側の順で大きいですが,スイングしたときのヘッド速度は,先端側,中心付近,根元側の順で大きいので,結果的に,打球速度は,ストリング面中心付近で最大になるようにフレームの重量配分をして設計するのが一般的です.ラケットの仕様では,スイングウェイトとバランス(重心位置)が関係します.
(引用文献)
(異なる物理特性をもつ各種テニスラケットの振動と反発力特性のコンピュータ・シミュレーション)
“ Computer Aided Prediction of the Vibration and Rebound Velocity Characteristics of Tennis Rackets with Various Physical Properties”,
Yoshihiko KAWAZOE、Science and Racket Sports, Edited by T. Reilly, M. Hughes and A. Lees, (1994), pp.134-139.