テニスラケットの科学(521)
(備忘録)2020年12月17日投稿
テンションとプレイのマッチング 1995年版(12): Part5  テンションの秘密を科学で探る
実験結果と実際のスウィングの印象の間で、 ギャップはなぜ 起こるのか ⑧
(7) 衝突速度の違いによって、テンションの影響に差が出る-その2

(備忘録)

“ では、テンションを変えたときに、どのような影響があるかを調べてみよう。
 図4はテンションを変えたときのストリングの変形量と、復原力の関係をボールの場合と比較したものである。
 標準テンション(55ポンド)を基準1.0として、その0.7倍(38.5ポンド)から1.4倍(77ポンド)までを比較したものである。
 同じ変形量であれば、テンションが高い方が復原力は大きい。
 図5は、テンションを変えた場合のストリングスの硬さを、ボールの硬さと比較したものであり、横軸はそれぞれの変形量でさる。
 変形量が同じであれば、テンションの高い方が硬いが、テンションの違いよりも変形量の方が硬さに影響する。
 図6は、ボールとストリングスを一体となったバネとみて、その合成バネの硬さを示したものである。
 横軸は、ボールの変形量とストリングスの変形量を足したものである。
 同じ変形量であれば、テンションが高いほど合成バネも硬い。
 しかし、インパクトでは、テンションが高いほど(バネが硬いほど)、変形が小さくなることに注意してほしい。
 衝突速度の違いによって、テンションの影響は違ってくるのである。

(続く)
(参考資料)
テンションとプレイのマッチング:Part5
テンションの秘密を科学で探る
実験結果と実際のスウィングの印象の間で,ギャップはなぜ 起こるのか
川副嘉彦,月刊テニスジャーナル 1995年10月号,pp.55-60.