テニスラケットの科学(527)
(備忘録)2020年12月20日 投稿
大特集 タッチ 1993年版(3)
:Part5 タッチと用具との微妙な関係   
用具の違いがタッチを左右するか?

(備忘録)

“ これまでさまざまな見地から「タッチ」について考えてきたが、最後に「用具」がどれくらい関連性を持つか検証してみたい。
 はたして、ラケットの種類、ストリングの種類やテンションを変えることで、タッチが良くなるということがあるのだろうか?”
“ まず最初に、この問題について試みた数々のインタビューを大まかに整理してみた。
意見 1
 タッチというものは、どんな用具を使うかということとはあまり関連性がない。
 ラケットが硬かろうが柔らかかろうが、それが自分にとってもっとも使い慣れたものであるということこそが肝心だ。
 用具は好みの問題で、自分の意志を伝達することができるものであればよい。
意見 2
 トップ・プロの例を見ても、タッチがいいとされているプレイヤーは一般的に、あまり厚くなく、小さめのストリング面のラケットを使っている。
 つまり、反発力が高すぎると手のひらの感覚が伝わりにくく、ボールを制御しにくいからだ。
意見 3
 昔のプレイヤーは現在よりももっとタッチをうまく使っていたという印象がある。
 それは、ウッドのレギュラー・サイズ、太くて感覚の鈍いストリングなどを使っているため、ラケット・ワークを磨き自分のパワーを最大限に発揮しようとしていたからだ。
意見 4
 タッチを良くしようと思うなら、自分でコントロールできる範囲の中で、できるだけストリングを緩く張ったほうがいい。
 接触時間が長くなり、柔らかいタッチの感触を得ることができるからだ。

(参考資料)
大特集 タッチ
Part5 タッチと用具との微妙な関係
用具の違いがタッチを左右するか?
テニスジャーナル 1993年7月号,p.56.