テニスラケットの科学(537)
:テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(47)
:ストリングの太さ(ゲージ)とラケット性能➃
:誤解されやすいインパクトにおけるストリング面の硬さ(面圧、復原バネの強さ)
:インパクトにおけるストリング面は、幾何学的な構造上、たわむほど硬くなる(たわみにくくなる、面圧が高くなる)!

● インパクトにおけるストリングの変形(たわみ)挙動とテンションと復原力(反発力)の形成過程
・ストリング面がたわむ方向(打球方向)とストリング・テンションの方向が、インパクト直前は直角ですが(張り上がりテンション)、インパクトにおいて、ストリング面の変形(たわみ)が増大していくと、フレーム端とボールの位置から形成される三角形のフレーム側の(底辺の)二つの角度が増大するので、たわませるのに必要な力が大きくなるので、次第にたわみにくくなります。
(図1、図2参照)

図ー1

図―2

・すなわち、
インパクトにおいて、ストリング面が次第に変形して(たわんで)いくと、変形(たわみ)がまだ少ないインパクト初期は、太いストリングの方がストリング面は硬いのですが、次第に変形(たわみ)大きくなっていくと、たわみ変形の大きな細いストリングの方がストリング面は硬くなっていくのです。
・インパクトにおいて、ストリング面が伸びきって、縮み始める(復原し始める)時点では、太いストリングと細いストリングのテンション、あるいは復原力(反発力)にはほとんど違いがなくなるのです。

(参考資料)
テニスラケットの科学(234)
:スピンとストリング(32) : プロのストリンガーも誤解しているストリング・テンション
:(張り上がり)面圧と(インパクトにおける)面圧―まとめ
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-234/

(参考資料)
・テニスラケットの科学(225)
:スピンとストリング(23) : プロのストリンガーも誤解しているストリング・テンション
:テンションを変えてもボールとストリングの反発係数が変わらないのはなぜか? (その3:まとめ)
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-225/
・テニスラケットの科学(208)
:スピンとストリング(6)
: プロのストリンガーも誤解しているストリング・テンション
:ストリンガーはラケットという「弦楽器」の性能を熟知している「調律師」(名張人)
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-208/