テニスラケットの科学(57) テニスラケットの力学(工業力学入門)(8):ボールとラケットの衝突シミュレーション結果の例(1) パワー(打球速度)に関するスイートエリア:ストリング面上の打撃位置と打球速度(数字)
図は、軽量ラケット以前の競技者レベル(女子プロ・クリス・エバート選手)のグランド・ストローク・ラリーを想定して、インパクト直前の飛来するボール速度 VBo= 10 m/s ,肩関節回転トルクNS= 56.9 Nm を与えた場合の予測結果です。
ラケット・ストリング面の根元側で打撃したときの打球速度が思ったより高い値を示していますが、サービスの場合や最近のラケットのようにスイング速度が速い場合は、面中心から先端側の方で打球速度は速くなります。
ラケットの反発力係数は根元側の方が高く、スイング・ラケット速度は先端側の方が速くなり、サーブの場合は、スイング速度が速いほど、打球速度は先端側で速くなります。
多様なラケットについて、反発係数、反発力係数、換算質量、スイング・ラケット速度なども調べた結果がありますので、追って紹介させていただきたいと思っています。