テニスラケットの科学(603)
:(2020年10月1日初投稿)
:ヨネックスのラケット:研究の思い出(8)
● この研究では,グロメット部でストリングを動きにくく(滑りにくく)したフレーム・ストリング・一体化構造テニスラケット V-CON20(ヨネックス YONEX製)のパワーに関連する性能を衝突解析に基づいて予測し,逆の発想でストリングス周りのフレームの横側にローラー(滑車)を取りつけてストリングスが滑るラケットROLLERS 3.1(ウィルソン WILSON製)の性能と比較しました.
(追記)
論文(参考文献)の結論を要約すると、以下のようになります。
・ ストリングスを動きにくくしたフレーム・ストリング・一体化構造ラケットは, ストリングを動きやすくしたローラー(滑車)付ラケットに比べて, 反発係数は面中心付近でやや高く,打球速度も面中心付近ではやや速いが,先端側ではやや遅く, ストリングス拘束条件はパワーには大きくは影響しない.
・ なお,本研究の一部は科学研究費基盤研究(B),(C),および埼玉工業大学ハイテクリサーチセンターの援助によって行われたことを付記する.
(参考文献)
フレーム・ストリング・一体化構造テニスラケットのパワーに関連する性能予測と評価
川副 嘉彦,ジョイント・シンポジウム : スポーツ工学シンポジウム・シンポジウム:ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2004 2004-11-10 p.66~71