テニスラケットの科学(678)
:テニスラケットの科学(435)の補足1
:フォアハンド・ストロークにおける身体とラケットの操縦法を見る (60)
:フェデラー型フォアハンドの特長
:バックスイング(テイクバック)の重要性

● 深いバックスイング(テイクバック)の重要性
・ 「コンパクトなテイクバック」というテニス専門家の解説を、特に最近、見聞きしますが、「異見あり!」です。
 「身体の動きはできるだけコンパクト」に、「ラケットのバックスイングはできるだけ深く」が、物理的には、重要です。
 「身体」と「ラケット」はそれぞれ、動きや時間の位相が異なるので、両方の操縦が重要になります。
 コンパクトなのは、身体なのか、ラケットなのか、を明示しないと混乱が起こります。
 物理的には、バック・スイング(テイクバック)はインパクトのエネルギー源ですから、大きいほど良いはずです。
 ただし、「ラケットヘッドは、ネットと逆方向(180度)に深く」という意味です。
 フェデラー選手型のバックスイングは、構えから前腕を回内し、上腕をやや内旋しながらラケットを落とすので、 ヘッドが背中側に回る(スイングが大きくても打球には無意味)ことはありません。
●  
” 野球・ゴルフ・テニスの〈打つ〉を向上させる! 最先端・動作トレーニング

https://tarzanweb.jp/post-262202?heading=1
に、

 パワフルに〈打つ〉ための鍵は、加速する時間(距離*川副補足)、すなわち、 ” パワフルに〈打つ〉ための鍵は、テイクバック(バックスイング*)、という指摘がありますので、以下に抜粋・引用して紹介させていただきます。

「〈打つ〉という動作は、カラダをひねる回旋動作だけで決まると思っている方も多いでしょう。
 もちろん回旋は大事ですが、実は回旋動作に入るまでに、加速する時間をなるべく長く取り、よりエネルギーを多く作った方が〈打つ〉ときに大きなエネルギーが伝わります」

” 
 そのために必要なのが、腕を後方へとテイクバックしてから、続いて並進運動(横方向への体重移動)をしっかり行うこと。

” 
 「通常の筋トレで筋肉が大きくなるまでには、最低でも8週間ほどかかりますが、パフォーマンストレーニングの場合は、早い人では1回で変化が実感できます。
 平均すると2週間前後で動きが変わったというポジティブな変化が得られるようになるはずです」(牧野トレーナー)

取材・文/井上健二 撮影/山本嵩 監修/牧野講平
牧野講平 まきの・こうへい:
 森永製菓トレーニングラボヘッドパフォーマンススペシャリスト。米国イースタンワシントン大学卒、弘前大学医学部博士課程後期在学中。高梨沙羅、前田健太らの他、多くのオリンピアンのサポートを行う。NSCA CSCS。日本コンディショニング協会理事。