テニスラケットの科学(693)
:やる気は走った後にやってくる
:池谷裕二先生の記事*から思い出すテニスに「のめり込んだ」動機


 私事ですが、池谷裕二先生の記事*を読んで、テニスに「のめり込んだ」きっかけを思い出しました。
 大学生のとき、テニス部の友人がいて、遠くから練習をちらっと見ることがありましたが、特に興味はありませんでした。
 しかし、大学院生のとき、企業の研究所で働きながら実業団テニスで活躍している方が「船舶の振動」という研究テーマで1年間研究員として来られました。
 その際、研究室の余暇でテニスをする機会があり、そこからテニスにのめり込むようになりました。
 当時は、「テニスのプレー」が第1、「機械工学の研究」が第2という感じでした。
 その後、S大学の機械工学科に就職し、主に内燃機関の振動や制御の研究をしていましたが、次第に「スポーツ工学」、特に「テニスにおける衝突現象(インパクト)」や「テニスラケットの性能測定や性能予測シミュレーション」の研究がメインとなりました。
 内燃機関の振動や制御の研究は困難な問題が多く、大変苦労しましたが、テニスのインパクトの研究は、夢中で取り組んでいるうちに次々と謎が解けていきました。
 機械工学科でのテニス関連の研究は肩身が狭い思いをしていましたが、研究を始めて数年後に,テニスのインパクト(衝突現象)に関する論文が「日本機械学会賞(論文賞)」を受賞したことで、科研費なども採択されるようになり、「スポーツ工学」への理解も深まり,機械工学科でのテニスの研究が大変やりやすくなりました。
 今年11月で80歳になりますが、唯一の趣味は「テニスのプレー」 と 「テニスの研究」です。
 改めて、「テニスのある人生に感謝!」です.

(参考記事)
“ ランニングは人間の脳にどのように作用するのか。
 果たしてランニングとビジネスコンディションに相関関係はあるのか、脳研究者である東京大学教授の池谷裕二氏に聞いた。

“ よく「やる気ってどうしたら出るんですかね」なんて、よく分からない質問をしてくる人がいます。
 多くの人は、やる気というのは行動を起こす原因だと勘違いしています。
” 
“ やる気が出たから走るというのはダメで、まずその日走り始めることが大切なんです。
 そうすると走りながら「じゃあ、もっと走ろうかな」と思ったりする。
 これがモチベーションなんです。

(参考記事)
* 脳を活性化し、パフォーマンスを上げるランニングとは
(執筆:林田順子 編集:奈良岡崇子 撮影:望月孝 デザイン:國弘朋佳) 
2018/7/31  News Picks.
https://newspicks.com/news/3197111/body/