テニスラケットの科学(779)
:テニスラケットの科学(777)の補足1 
:論文と実験結果*の紹介とコメント(その2)
:クロスストリング(横糸)の本数が少ないラケットはスピン量が多いか?
:メインストリング(縦糸)の横方向の変位が大きいラケットはスピン量が多いか?

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:テニス・ラケットの横糸の本数は、スピン量に影響するのか?
(論文2014年紹介とコメント 川副研究室)
:トップスピンのかかりやすい入射角38度(約40度)では、横糸の本数は、スピン量にほとんど影響しない!

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:ボールのラケット面に対する入射角24度と38度のスピン量(角速度)の違い
:コメント(川副研究室)
:実験データのどこを見るべきか!
:最もスピン量の多い「ボールのラケット面に対する入射角度」38度(約40度)では、横糸の本数はボールのスピン量(角速度)に影響しない!
:「ボールのラケット面に対する入射角度」24度においても、
「横糸の本数」19本と12本のスピン量(角速度)の違いはほとんどない.
(注)
 縦軸の目盛りがゼロからではないことに注意! 

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:誤解の多い「スナップバック」と「スピン量増大」のメカニズム
(実験結果からわかるのは)
・ スピン量に影響するのは、インパクトにおけるメイン・ストリング(縦糸)の横方向変位(ズレと戻り:スナップバック) の大きさではない!
・ スピン量に影響するのは、メインストリング(縦糸)の横方向変位に基づくスナップバックによる横方向のテンション、すなわち横方向の復原力の大きさである!  川副研究室

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(参考までに)
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:メインストリング(縦糸)の横方向変位の測定結果(入射速度 30 m/s 時速 108 キロ、入射角 24度 と 38度 )
:クロスストリング(横糸)の本数 12本と19本の比較 
・「縦糸の横方向への変位」(横方向へのズレ) mm は、「横糸の本数」 12 本の方が「横糸の本数」 19 本よりかなり大きいが、「スピン量」には両者の違いがないということを実験結果は示していることになります.

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(参考までに)
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:研究の背景(Wilsonにおけるスピンの研究)2012年~?
 特許出願中のスピンエフェクト技術の重要なポイントはシンプルで、縦のメインストリングよりもクロスストリングの数が少ないことだ。

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https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-310/ 

(引用文献)
* Measurement of Main Strings Movement and its Effect on Tennis Ball Spin,
December 2014, Procedia Engineering, 72, pp. 557-562.
Yudai Washida, Nathan Elliott and Tom Allen.
(川副訳)
「メインストリングの動きの測定とテニスボールのスピンへの影響」
(参考記事)
・テニスラケットの科学(777)
:クロス・ストリング(横糸)の本数はスナップバック(スピン量増大)に影響するか?
:論文と実験結果*の紹介と川副研究室のコメント
「メインストリングの動きの測定とテニスボールのスピンへの影響」*
:(コメント:川副研究室)
「実際のプレーに相当するトップスピン(入射速度30 m/s, 入射角約40度)では、横糸の本数はほとんどスピン量には影響しない」
ことになる!
・テニスラケットの科学(310)
:プロのストリンガーも知らないストリング:「スナップバック」の源流と用語の起源(15)
:New String Theory(新しいストリング理論)13
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-310/