テニスラケットの科学(783)
:テニスラケットの科学(781)*の補足2
:魚雷バット(Torpedo Bat トルピードバット)の話題
:「群盲象をなでる」?、「木を見て森を見ず」?
:「魚雷バット」米に旋風 先端細く、芯を太く ヤンキース開幕3戦で9発 大リーグ**

 魚雷バット(Torpedo Bat トルピードバット)が話題の記事を興味深く拝見しています.
「群盲象をなでる」?、「木を見て森を見ず」?のようです!
 ボールとコンタクトするバットの芯の辺りを(直径をわずか)太くして三振の数が減らすという発明者による発想は、テニスラケットの「デカラケ」(Large sized tennis racket)の発想に似ていますね!
 テニスラケットの「デカラケ」の場合は、 ラケット面の中心がグリップ側に近づくので打撃位置のヘッド速度は落ちますが、 換算重量が大きくなるので反発力係数は高くなり、結果として、空振りやフレームショットは減っても、打球速度はほとんど変わらないという発想でしょう!
 ただし、市販の多くのデカラケは、全長が1~2 cm長くなっています.
 最近は、デカラケを使うプレーヤーは少なくなりました!
 以下は、「魚雷バット」に関する記事**の抜粋引用です.
“ 「魚雷バット」米に旋風
 先端細く、芯を太く
 ヤンキース開幕3戦で9発 大リーグ
 大リーグで「トルピード(魚雷)」と呼ばれるバットが話題になっている。芯の部分が太く、先端が細くなっている形状から、その名がついた。
 話題の発端になったのは、ヤンキースの選手がブルワーズとの開幕3連戦(3月27、29、30日)で、球団記録の1試合9本塁打を放つなど、計15本ものホームランを量産したこと。
 先発ではゴールドシュミットら5選手がこの魚雷形バットを使用し、9本がこれらのバットから生まれた。

“ ■速度落とさず、三振を減らす
 ヤンキースは、ダイヤモンドバックスとの3連戦(4月1~3日)でも7本塁打を重ねた。すでにチーム合計22発。開幕6試合が終わった時点での大リーグ記録を5本更新した。
 スポーツ専門局ESPNによると、発明者は元物理学者でヤンキースの「アナリスト」だったアーロン・リーンハート氏。
 2023年シーズンの始めに、三振の数が増えていることに着目。
 ボールとコンタクトする芯の辺りを太くすることを思いついた。
 ただ太くするだけでは、重量が増し、スイングスピードが落ちてしまう。
 それならば先端の木材を減らせばいい。
 こうした発想のもとで生み出されたという。
 「直径2・61インチ(約6・6センチ)、長さ42インチ(約106・7センチ)を超えてはいけない」という大リーグ機構の基準もクリアした。

“ 3月31日。ドジャースのロバーツ監督は記者会見で魚雷形バットについて問われ、こう答えた。
 「バットが承認されるには多くの規制をクリアする必要がある。
 外観を見ると驚きだけど、適切な手続きを経て使われているのだろう」
 「自分の成績を高めるために道具を追求することは悪いことではない。
 今の時代、パフォーマンスを向上させるためにオープンマインドな選手が増えているということだ」

“ ■大谷は変えず、「今も十分満足」
 ドジャースの大谷は2日の試合後、「最初から可能性を排除することもないと思う」との見解を示しつつ、魚雷形バットを使用するかどうかについては「(自分は)今のバットで十分満足しているし、今のところは継続して使うと思います」とコメントした。
 米メディアによると、昨季ア・リーグMVPのジャッジ(ヤンキース)も、大谷と同様の理由で魚雷形バットに変えるつもりはないという。
 ヤンキース以外の球団でもこのバットの使用は広がりつつある。
 次世代のスター候補、デラクルーズ(レッズ)は、3月31日のレンジャーズ戦で2本塁打7打点と大暴れ。
 一方、昨季のナ・リーグMVP候補だったリンドア(メッツ)は魚雷形バットで不振に陥っている。(ロサンゼルス=安藤仙一朗)

図1:魚雷バット(Torpedo Bat トルピードバット)の話題
  「群盲象をなでる」?、「木を見て森を見ず」?

図ー1

図2:”速度落とさず、三振を減らす”

図ー2

図3:「魚雷バットの」発想は、 テニスの「デカラケ」の発想に似ているようです!

図ー3

図4:”大谷は変えず、「今も十分満足」”

図ー4

*(参考記事)
・テニスラケットの科学(781)
テニスラケットの科学(781)
:大リーグ・ヤンキースの魚雷バット(Torpedo Bat トルピードバット)*
:”何か問題が浮上すると、実際は何ということもない問題なのに、人々が狂乱状態になるからね。(ロブ・マンフレッド・コミッショナー”*
:打撃用具の性能設計法は2000年頃にすでに確立済み!
:バットの打球位置の(換算重量)のスピードと反発力のバランス設計  (野球バットもテニスラケットも性能設計法は同じ!)
:万人に最適な野球バットはありえない!
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-781/ 

**(抜粋引用記事)
・「魚雷バット」米に旋風 先端細く、芯を太く ヤンキース開幕3戦で9発 大リーグ
 (ロサンゼルス=安藤仙一朗) 朝日新聞 2025年4月5日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16187459.html 
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