テニスラケットの科学(850)
:テニスラケットの科学(849)の補足1
:スナップバック現象について
(ノッチを潤滑したストリングでのトップスピン打撃におけるスピン量増大の例)
:スナップバックによるスピン量,打球速度,接触時間の変化(実測値)
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映像1:スナップバック現象
画像1:
ナイロンストリングを張ってから一日3時間、一週間ほど使用してできたラケット・ストリング面のノッチを潤滑したラケットでトップスピン打撃をしたときの、
(a)インパクト直前および
(b)インパクトでのラケットとボールの関係、
(c)スナップバック現象、
(d)インパクト直後のラケットとボールの関係を示した写真です。
この場合のボールとストリングの接触時間は1000分の4.1秒です。

画像ー1
画像2:
実験結果をまとめたグラフです。
ストリングの縦糸と横糸の交差点にノッチ(溝)ができたストリング使用後のラケット(Used)の場合、
新品のストリング(New)の場合と比べると
スピン量は平均 40 % 低減しています。
ところが、
縦糸と横糸の交差点に潤滑剤を塗ったラケット(Lubricated Used)は、
使用後のラケット(Used)と比べ
スピン量が平均 30 % 回復し、
接触時間は平均 16 % 長く、
打球速度の低減は平均 6 %
という実験結果になっています。
打球速度が低減しているのは、
スピン量が増大したことによって、
インパクトにおけるエネルギーのうちスピンのエネルギーの割合が増加しているためです。
スピン量が増すと接触時間が長くなり、
打球速度はわずかに低減します。

画像ー2
画像3:、
トップスピン打撃によるインパクトにおいて、
テニスボールがストリング面に接触しているときのボールとストリングの挙動を示しています。
通常のラケットの場合(a) に比べて、
潤滑剤を塗ったラケットの場合(b) のほうが
縦に張ったストリングの横ずれが大きいことを示しています。

画像ー3
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(追記)
参考文献にあげた論文は、「潤滑剤」を使うことを勧めるのではなく、むしろ、硬くてツルツルの「ポリエステル」のスピン性能が素晴らしいことを実証した研究です。
ストリングは、
「表面が硬くてツルツルで滑りやすいストリング」の方が、
それまで「スピンガット」と呼ばれて市販されていた「表面がギザギザのストリング」よりは、
「スピンがかかりやすい」
ということを、「滑りやすい潤滑剤」を使って実証した論文です.
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スパゲッティ・ストリングと同じ原理ですが、使用済みナイロンガットの交差点を特殊・滑剤剤(国際特許取得)で潤滑したストリング面です。
禁止されるかも知れないと国際会議で指摘されたので、開発者(共同研究者)が ITF (国際テニス連盟)に製品を送って、回答をもらいました。
現時点では、違反にならないとの ITF からの回答でした。
(当然ですが!)
参考資料①
テニスラケットの科学(36) ガット ツルツルほどスピンかかる | 川副研究室-KAWAZOE-LAB
https://kawazoe-lab.com/tenn…/science-of-tennis-racket-36/
参考資料②
テニスラケットの科学(37) Tennis string lubricant(ストリング潤滑剤)に関する国際テニス連盟(ITF)からの手紙
https://kawazoe-lab.com/tenn…/science-of-tennis-racket-37/
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(参考文献)
・ Yoshihiko KAWAZOE and Kenji OKIMOTO,” Super High Speed Video Analysis of Tennis Top Spin and Its Performance Improvement by String Lubrication”, The Impact of Technology on Sport, ASTA Publishing, (2005), pp.379-385.
https://kawazoe-lab.com/…/super-high-speed-video…/
・KAWAZOE Y. and OKIMOTO K., “ Mechanism of Tennis Racket Spin Performance (Ultra-High-Speed Video Analysis of Spin Performance Improvement by Lubrication of String Intersections)”, Journal of System Design and Dynamics, Vol.6, No.2,(2012) pp.200-212.
https://kawazoe-lab.com/…/mechanism-of-tennis-racket…/
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(参考記事)
・テニスラケットの科学(236)
:スピンとストリング(34)
: ストリング表面とスピンの関係
:トップスピン打撃におけるノッチを潤滑したナイロンストリングとスナップバック現象
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-236/
・テニスラケットの科学(236)の補足
:ストリング表面とスピンの関係
:トップスピン打撃におけるノッチを潤滑したナイロンストリングとスナップバック現象 (静止画像連続コマ写真)
https://kawazoe-lab.com/…/science-of-tennis-racket-236-1/
・テニスラケットの科学(301)
:プロのストリンガーも知らないストリング
:「スナップバック」の源流と用語の起源(6)
:New String Theory(新しいストリング理論)4
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-301/
・テニスラケットの科学(567)
:コーポリ・ガット(ポリエステル系ストリング)
:実際にはどのような仕組みで機能しているのか(解説記事紹介)⑫
:スナップ・バック Snap-backの起源
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-567/
