テニスラケットの科学(862):
(備忘録;解説記事 2003年)
材料が変えてきた用具とパフォーマンス
-テニスを例にして-*(その1)
Tennis Equipment and Performance
-Transformation Through Material Evolution –
*川副嘉彦,日本機械学会誌,第106巻,1010号 (2003), pp.13-15.


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1 スポーツ用具性能評価の難しさ
 ラケットの進歩がテニスのプレイ・スタイルを変えたと言われている.
 プレイは用具で変わる.
 逆に,用具の性能はプレイヤーによって変わる.
 すなわち,用具とプレイヤーの相互作用によりスポーツとしてのパフォーマンスが向上する.
 プレイの状況・環境によってもパフォーマンスは異なってくる.
 複雑系の世界である.
 ここにスポーツ用具性能評価の難しさがある.

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2 テニスラケットの変遷
 テニスラケットは1960年代前半までは木製でフェイス面積はほぼ 68 in2であったが,1967年にスチール製,1968年にアルミ製の金属ラケットが現れ,1974年には複合材のラケットが登場した. 
 これまでの30数年間にラケットは大きく変わってきたが,1976年に現れた 110 in2のデカラケ,1987年の厚ラケ,そして1995年の長ラケは最も革新的なラケットだと言われている.
 最近のラケットの主要な素材はすべて複合材である.
 デカラケは,打球面が広いラケットである.
 最近のラケットの打球面サイズは 95 in2~110 in2が主流である.
 厚ラケは,フレーム剛性を高めたラケットである.
 長ラケは,従来のラケット全長27 in(約685 mm)を29 in(約735 mm)まで長くしたラケッットである.
 国際テニス連盟は,全長が29 in以上のラケットの使用を禁止した.
 しかし,現実は従来の 27 in に近いラケットが再び使用されている.
最近のラケットの特長は軽量化である.
 ラケットの質量(ストリングスを張った状態)は,木製の時代は 370 g ~400 g,複合材ラケットの初期の頃は 360 gから 375 g,さらに軽量化が進み超軽量ラケットと呼ばれる300 g を切るラケットが現れた.
 最近の最も軽いラケットは 220 g に達している.
 図1は,木製ラケットと最近のハイテク・ラケットの代表例を示す.

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 木製ラケットと最近のハイテク・ラケットの代表例

(文献)
https://kawazoe-lab.com/research/zairyougakaetekita-2/