研究発表のお知らせ

2018年6月2日,3日に専修大学・生田キャンパスにて開催される第30回テニス学会において研究発表を行います。

期日:平成30年(2018年)6月2日(土)
会場:専修大学・生田キャンパス
学会詳細と参加申し込みはテニス学会ウェブサイトをご覧ください
http://jsts.cc/wordpress/wp-content/

講演題目:実験とシミュレーションに基づくテニスラケット変遷の性能論的考察
― 今、なぜ、フェイス面積100平方インチ、全長27インチ、重量300グラム、ポリエステル・ストリングか ―

(講演要旨)

実験とシミュレーションに基づくテニスラケット変遷の性能論的考察

― 今、なぜ、フェイス面積100平方インチ、全長27インチ、重量300グラム、ポリエステル・ストリングか ―

川副 嘉彦(川副研究室)

テニスラケットは、素材の複合化により設計・製造の自由度が大きくなり、身体的条件や技術的条件の異なるプレイヤーとの整合を考慮したきめの細かい設計をめざす段階に至っている。 しかし、メーカーのカタログやテニス専門誌の記事などでは、スポーツ工学の進展にも関わらず、主観的な評価が多く、物理現象との矛盾や先入観による誤解も多い。 したがって、一般ユーザーにとっては、ボールを打ってみて、はじめて性能がわかるというのが現実である。

テニスにおけるラケットとボールの衝突現象は、ボールとストリングの大変形およびラケットの振動をともなう非線形の力学であり、現実の打撃ではさらに人間系が絡んでくるから複雑である。 ボール、ストリングおよびフレームの物理特性、ストリング面のボール打撃位置に換算したラケットの換算質量、およびスイング・モデルを導入した衝突モデルに基づいて、手で支持したラケットの振動、反発係数、反発力係数を予測し、基本的なラケット性能を評価することにより、今、なぜ、フェイス面積100平方インチ、全長27インチ、重量300グラム、ポリエステル・ストリングという標準的ラケットに至ったかを考察する。