テニスラケットの科学(124)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(19):テークバックとフォロースルー(1)

テニス雑誌の最近号の特集『テニス入門書 PART1ショットの基本 フォアハンド編』(*)に、S・チチパスのコマ写真(添付図*)が掲載されていて、
“フォロースルーは前に大きく取ることが大切です。初級者はインパクトしたら終わりと思うのか、すぐに小さく巻き込んでしまいがち。そうではなく、自分が打ったボールをラケットヘッドで追うイメージで振りぬきましょう。「入り口(テイクバック)小さく、出口(フォロースルー)は大きく」が基本です。”と解説されていますが、(異見あり!)です。

図のコマ写真を注意深く見ると、上記の解説とは逆に、
「インパクト前のテイクバックは十分に大きく」、
「インパクト後のフォロースルーは、ボールを追うようなイメージというより、(コマ写真9に見えるように)肩を支点とした内旋・外旋のスイングによりインパクト(コマ写真8)で最高速度に達したヘッドが、身体に無理がなく自然に回転して左上方にコンパクトに収まっている(肩を支点にして外旋しながらスイングしているので腕は自然に左側に高くあがる)」ように見えます!

誤解の要因のひとつは、ラケットヘッドに着目しないで、フォアハンドの構えだけに着目しているからではないでしょうか?
テイクバックの構えは小さくても、ラケットヘッドの動きに着目すると、フォワードスイングの始動時には、ヘッドは十分奥の方にあり、そこから前方へ大きく動いて加速しているように見えます!
なぜ、そうなるのか?、私も最近まで不明でしたが!

*画像:2019-0507-チチパスのフォア-fromスマッシュ2019年5月号p14-15-t-Sm-kawazoe
:テニス雑誌スマッシュ、2019年5月号、pp.14-15の一部を抜粋・編集(川副)