テニスラケットの科学(408) サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(23) :テニス書・「理系なテニス」に(改めて)異見あり! (1)サーブ(理論と体感) :「ナダル選手とジョコビッチ選手の体感」の方が、「理系なテニス」よりも、「物理」を深く理解しているのでは!

● タイトルにひかれて拝読したテニス書 ・『勝てる! 理系なテニス 物理で証明! 9割の人が間違えている“常識”(2018年発行)』 の冒頭の序文には、次のように書かれています。
“ ナダルがサービス練習に入ったとき、その叔父が耳を疑うような言葉を口にした。
「ラファ、ボールを上から叩きつけるようにサービスは打つんだ!」
私は狼狽した。 このアドバイスが、物理学を覆すものだったからだ。
——— 「ジョコビッチが、サービスは上から下に打つと言っていましたよ。これって、間違いですよね。 ——–
世界最高峰に位置する選手たちが、理論とは真逆のことを述べることも多いからだ。
——- テニスのアドバイスは2種類あるからだ。
「現象(見た目)アドバイス」と「体感(身体が感じたこと)アドバイス」の二つだ。”
しかし、この解説に(異見あり!)です。
● テニスラケットの科学(86)テニスラケットの科学(127)などでもコマ写真を引用して、異見あり!を述べましたが、あらためて、「ナダル選手とジョコビッチ選手の体感」の方が、テニス書・「理系なテニス」よりも、「物理」をより深く理解していることを、テニスラケットの科学(385)~(402)において、確認しました!
● 「世界最高峰に位置する選手たちが、理論とは真逆のことを述べることも多い」と「理系のテニス」に書かれていますが、「ボールを上から叩きつけるようにサービスは打つんだ!」というナダル選手のコーチや「サービスは上から下に打つのだ」というジョコビッチ選手の体感の方が、正解です!
● 「サービスは、インパクトの直前に、ボールを上から叩きつけるように、腕を振り下ろすことによって、ラケットがパラメトリック加速してヘッドが急速に振り上がり、最大速度でインパクトする」というのが正解だからです!
● ナダル選手もジョコビッチ選手も、高校物理を超えた深い物理現象を体感的に理解していることになります!
● 1stサーブ2ndサーブも、打球は、下から上ではなく、やや下向きにネットの方に飛んでいます!
(参考資料)
テニスラケットの科学(86)テニス・スイングにおけるパラメトリック加速1:フェデラーのサーブ
(Parametric Acceleration in Tennis Swing: Federer’s Service)
* テニスラケットの科学(129)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(23):「理系なテニス」(1) ナダルとジョコビッチのサーブ(理論と体感)
テニスラケットの科学(144)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(24):「理系なテニス」(2) なぜサービスは「下から上に打つ」のか? (ボールを打つ縦方向の角度とボールの軌道に関連して)
テニスラケットの科学(386)
:サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(2)
:ラファエル・ナダル選手②
:インパクト直前からインパクトまでの腕とラケットヘッドの動きを見る!
テニスラケットの科学(387) :サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(3):ラファエル・ナダル選手➂:インパクト直後の打球の軌道
*テニスラケットの科学(392) :サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(8):ジョコビッチ選手②:インパクト直前からインパクトまでの腕とラケットヘッドの動きを見る!
*テニスラケットの科学(393) :サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(9):ジョコビッチ選手➂:インパクト直後の打球の軌道