テニスラケットの科学(466):(備忘録) :テニスボールは優れもの! (1)

① テニスボールの反撥性の良さ:ボールがつぶれるほど硬くなるという特性による
 テニスにおけるラケットやストリング,ボールなどの用具は,長年にわたる試行錯誤による経験の産物(神のアイディア?)です(図1参照)

図ー1


 インパクトにおける特性が明らかになるにつれて,その優れた性能に驚かされます!
 ストリングとボールとの反発係数は,インパクトにおけるストリングとボールの急速変形にともなうエネルギ損失によって決まります.
 インパクトにおけるストリングのエネルギ損失はほとんど無視できる程度で,反発係数はほとんどボールの急速な変形(つぶれ)によるエネルギ損失で決まります.
 ボールのつぶれが大きい(ハードヒットする)ほど,エネルギ損失は大きく,反発係数は低下しますが,比較的高い反発性を保っているのは,ボールの変形が大きくなる(インパクトの力が大きくなる)ほど,ゴムと封入気体の性質によって,ボールが硬くなるという特性です.
 ストリング面もたわむほど硬くなります.
 (図2参照)

図ー2


 ② テニスボールのコントロールのしやすさ:ボールの表面の毛(フェルト)による