テニスラケットの科学(483) (備忘録) ラケットの打撃用具(打具)としての性質と弦楽器としての性質
テニスマガジン誌2019年10月号特集『スピンとストリングの密な関係』「PART① ラケットとボールがぶつかるとき、ストリングに何が起きているのか?」に、日頃Facebookで議論させていただいている内容を紹介させていただきました。「ぴったんこ」のタイトルをつけていただきました! ぜひご覧ください!
特に、テニス指導者やストリンガー、メーカーの方に読んでいただけると嬉しいです!
テニスラケットには、その構造上、打撃用具(打具)としての性質と弦楽器としての性質とがあります。
打撃用具としてのラケット性能は、打球速度やスピン量(回転角速度)などで評価されます。ストリング面とボールとが接触してから離れるまでのインパクトの期間(3~4/1000秒)における挙動で決まります。
弦楽器としてのラケット性能は、ボールがストリング面を離れたインパクト後(弦がボールで弾かれた後)の音、振動、打感などです。
打具としてのラケット性能は実験やシミュレーションによって客観的な評価ができますが、弦楽器としての性質は、インパクト後の音色や種々の振動などは測定できても、好き嫌い、打感、好みなどは、重要なのですが、主観的なもので測定が難しいです。
打具としての性能はそれを受ける相手プレーヤーに直接に影響するもの、弦楽器としての性質は打撃するプレーヤー自身が感じる主観的なもので、プレーには間接的に影響すると言うこともできます。