テニスラケットの科学(742)
:テニスラケットの科学(721)の補足19
:(備忘録)慶應義塾大学 総合政策・環境情報学部講義「スポーツエンジニアリング (ゲストスピーカー 川副嘉彦) 2024年11月8日(金)、9時25分~10時55分
:「テニスを科学する:テニスボールとラケットの衝突」
:プロのストリンガーも誤解しているストリング
:張り上がりテンションとインパクトにおけるテンションの図による説明
(ボールとラケットヘッドの衝突速度20 m/秒と 30 m/秒の比較)


・図は,インパクトにおいて,ボールとラケットヘッドの衝突速度が20m/秒と30m/秒 のときのストリングのテンションと張り上げテンション(実際は張り上がりテンション)を図示したものです.
 このテンションのボール方向への復原力成分がボールを跳ね返すことになります.
 ボールの跳ね返り速度は,テンション時系列の面積に比例します.
・ 実用的なプレーにおけるインパクトにおけるテンションは,張り上げテンション(張るときの引っ張り荷重)に比べて大きく,張り上げテンションよりもインパクトの衝突速度の影響がはるかに大きいので,張り上げテンションの打球への影響は気にしないで,好み(音色や振動の感触による)のテンションを選べばよいと思います.

(参考記事)
・テニスラケットの科学(606)
:インパクトにおけるストリング・テンション(張力)の事実
:張り上げテンション(設定・初張力)ではなく、(インパクトでの)リアル・テンション(張力)がボールを弾く
https://kawazoe-lab.com/ten…/science-of-tennis-racket-606/