テニスラケットの科学(125)  
:テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(20)
:テークバックとフォロースルー(2)
(小さなフォアの構えから大きなテイクバック&フォワードスイング始動が発現するメカニズム)

テニス雑誌の最近号のコマ写真の解説にある「入り口(テイクバック)小さく、出口(フォロースルー)は大きく」というフォアハンドの基本は、フォアハンドの構え(準備段階)だけに着目しないでラケットヘッドに着目すると、上記の解説とは逆に、「インパクト前のテイクバックは十分に大きく」、「インパクト後のフォロースルーは、ボールを追うようなイメージというより、左上方にコンパクトに収まるイメージ」に見えるという異見を前回紹介させていただきました。

「小さな構えから大きなテイクバックとフォワードスイングが発現するメカニズム」を理解するのに好都合のディミトロフのフォアハンド・コマ写真(*)が同誌の別の頁にありましたので、紹介させていただきます。

図のコマ写真4⇒5⇒6のフォアハンドの構え(準備段階)では、ヘッドは相手選手の方を向いていて、脇も開いていて上腕(肩)はやや内旋(内側に回転)しているように見えます!
コマ写真7⇒8⇒9⇒10では、上腕(肩)を外旋していくことによって、自然にヘッドが下がり、面が少し返りながら後ろの方に位置するようになる様子が見えます。
コマ写真11⇒12⇒13(インパクト)では、一気にそのまま肩を支点にして腕とラケットが回転し、インパクトに至っているように見えます!
インパクト後は、コマ写真14のように、そのまま肩を支点にして回転し、ヘッドは自然に上方に(肩の位置が高いから)振り上がっているように見えます。

これが、ラケットヘッドが相手選手の方を向いている構えの状態から、一気にフォワードスイング、インパクト、フォロースルーに至るメカニズムのようです!

*画像:2019-0508-ディミトロフのフォア-backswing-スマッシュ2019-5-p9-Sm-kawazoe
:テニス雑誌スマッシュ、2019年5月号、pp.8-9の一部を抜粋・編集(川副)

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