テニスラケットの科学(296):プロのストリンガーも知らないストリング:「スナップバック」の源流と用語の起源(1):ハワード・ブロディ(Howard Brody)からのメール(2005年)


 ● 図1は、2005年8月にテニスの研究ですでに著名であったハワード・ブロディ(Howard Brody、元ペンシルベニア大学物理学教授、1970年代からテニスの研究を開始) から送られてきたメールです。
 Kawazoeが2005年5月に国際会議で発表した論文を読んで、“Stuart Miller(ITF技術研究所所長)、 Rod Cross(元・シドニー大学物理学准教授、)、 Steve Davis(プリンス・スポーツ用具開発部長)の3人にも論文のコピーを送ったよ!”というメールでした。
” (2005年の)数年前、CrossとBrodyは「スパゲティ ストリング」がどのようにして、なぜ、スピンを増大させるのかを考え付いた。
 しかし、我々は理論をテストする実験をやっていません!

“ しかし、君が、今、素晴らしい実験をして「摩擦が小さい方がスピンが増す」ということを実証してくれた!

という(嬉しい)コメントをメールしてくれました!

図1


● その後、いつの間にか、(Kawazoe 論文で使った用語)“Spring back” が “Snap back”(スナップ・バック)という用語で世界に拡散され(Wilsonなども使用)、日本にも伝わってきました! 
 (世界初の論文のはずなのに、日本発の論文は読まれないのかなあ(?)と思いました!)
 しかし、「Snap backスナップ・バック」の源流(?)を探って多方面から取材して The Atlantic 誌(January/February 2011)で発信してくれたmaniacなジャーナリストがいました!

図2