テニスラケットの科学(3)  
手持ちラケットと宙吊りラケットのボールとの衝突シミュレーション

図は、ボールとラケット(フレーム、ストリング)を実験的に同定したモデルを使った衝突シミュレーション結果です。

先端側のオフセンターでボールを打撃したときの、ラケットの初期振動振幅(最初の最大値、次第に振動しながら減衰していく)を示しています。
斜めから見た図と側面図です。

グリップ自由と手持ちの場合は、大きくは違いがありません。理由は、両者とも、手の近くを支点にして剛体回転運動をするからです。

衝突速度が大きいほど、振動は大きくなります。

しかし、スイートスポット(節、ほぼ面中心)で打撃すると、大きくは振動しません。ボールの大きさがあるので、振動ゼロにはなりません。

また、グリップ上の節の位置を握ると、オフセンター打撃で振動が大きくても、手には伝わりませんが、最近の軽量ラケットの節の位置は、通常の握りの位置より、かなり、スロート側に近い位置にあるので、実際は振動が気になります。

1-画像:ボールとラケット(フレーム、ストリング)の衝突シミュレーション
*グリップ自由というのは宙づりラケット、あるいは地面に立てた状態でボールを衝突した場合です。